パリ大学院生活 at SciencesPo

フランス・パリ政治学院(通称SciencesPo)に在籍する大学院生のブログです!

【最終ポスト!】お知らせとお礼

みなさま、こんにちは。ぺんぎんです。

ご機嫌いかがでしょうか。

 

先日のぷらんくとんによる就活の記事の冒頭でも少し触れていましたが、この去る2018年6月にめでたく、いぐあな、しゃち、ぷらんくとん、ぺんぎんの4人が修士課程を修了しました!

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修了式典でもらう「修了しました」証書。公式の修了証書ではありません。修了証書はあとでPDFで送られてくるとのこと。証書を修了式典に間に合わせられないあたりも、まさにSciences Poクオリティですね(最後まで愚痴)。


パリを離れた4匹の動物たちは、おのおの自らの新しい居場所を見つけ、新生活を始めております。新生活はまだ始まって何カ月かしか経っていませんが、パリでの2年間で得た経験・学びがいかにそれぞれの土俵で活きてくるか、これから楽しみにしていてくださいね。

 

それに伴い、2017年2月から始まったこの「パリ大学院生活 at Sciences Po」も、修了することになりました。「Sciences Poに関する日本語の情報があまりにも少ない!」「堅苦しい公式の説明じゃない、本当のパリ大学院生活を伝えたい!」という思いで始めたこのブログ。執筆者は、いぐあな、しゃち、ぷらんくとん、ぺんぎん、きりん、こあら、らっこ、かもの総勢8人でお送りしてきました。

 

おかげさまで、Sciences Poについてどうしてもみなさまに伝えたいことは一通り書き切ることができました。また、上述の通り執筆メンバーはそれぞれの新生活に入りましたので、記事の更新、メールやコメントへの返答は現在をもって終了させていただきます。ご了承ください。今までに、メールでの質問や投稿へのコメントをくれた方々、ありがとうございました。

 

このブログをきっかけに、メールでたくさんの質問をいただいたり、実際に「ブログ見たよ!」と声をかけていただいたりと、自分たちが書き残した情報が役に立っていることが実感できるときが多々あり、嬉しかったです。読んでくださったみなさん、ありがとうございました!

 

今までの投稿は消さず、このままインターネット上に残しておきたいと思います。もしこの後、Sciences Poに進学したいぞという方がいましたら、引き続き参考にしていただけると嬉しいです。

 

今までのポストを見ていただければわかる通り、「パリでの大学院生活」は字面から思い浮かべるほどエレガントでトレビア~ンなことばかりではありません。ですが、今回修了した4人は、みんなそれぞれやっぱりパリで学べてよかった、と思っています。みなさんも、パリに限らず、海外大学院をぜひ目指してみてくださいね!

 

ではでは、あでぃう!

怒涛のインターン探し(続編)

こんにちは。こあらです。

 

前回怒涛のインターン探しということで、インターンを探すまでを書きましたが、無事インターンの受け入れ先を見つけることができました。私の場合、「アジア」・「移民」というキーワードで探しつつ、先輩方に紹介していただいた結果、国際移住機関(通称:IOM)の香港事務所でインターンをさせていただけることになりました。実は前回のブログ記事をポストした6月の上旬には既にパリを発ち、8月終わりまでの3カ月間、香港で業務を開始していました。(夏のフランスを十分に味わえなかったことだけが唯一の心の残りです。。。)

 

<IOM香港の看板(1960年頃作成)>

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香港には、インドネシアやフィリピンからの移民労働者が多くいます。多くは、各家庭で家事労働者として従事しているのですが、労働搾取や性的暴行などの様々な問題を多く抱えています。インターンシップの業務内容として、彼らのサポート業務に関わり、時にはフィールドレベルで香港のNGOと協力しながらソーシャルワーカーのような業務をこなし、またある時には政策レベルで様々な政府関係者の方々に対してアドボカシー活動を行うなど、幅広い業務に携わることができました。

 

インターンは私以外にも3人いて、メキシコ、香港、オランダ出身と国際色が非常に豊かでした。私以外のインターンは、インターン期間が6カ月以上と比較的長期だったこともあり、たった3カ月では自分の役割に限界があることを痛感しました。3カ月で業務にも慣れ、ようやく「これからだ!」というところでインターン終了だったので、可能であればもっと長く続けたかったのですが、コロンビア大学の授業が始まってしまうということで、後ろ髪をひかれる思いで、なくなく香港を後にしました。シアンスポの通常課程の学生は5月下旬に試験が終わったのち、翌年の1月まで、6カ月以上インターンをすることが可能なので、これもデュアルディグリーのデメリットの一つだと改めて感じました。

 

香港に住んでいる間、大学の卒業生ネットワークに少しだけ関わりました。私の場合、香港在住の知り合いがほとんどいなかったので、パリ政治学院とコロンビア大学の両方の卒業生イベントに参加しました。多くの都市で、卒業した大学の同窓会が存在していることが多いので、ネットワークイベント(パーティーやバーベキュー、講演会などその内容は様々)に参加し、人脈づくりを行うのも一つの方法かと思います。



<IOMの同僚との飲茶ランチ>

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ちなみに、6月時点でインターンが決まっていなくて焦っていた周りの友人も、なんだかんだ、きちんとインターンの受け入れ先を見つけ、現在インターンをしています。比較的仲良がよかった友人(全員留学生)5人の内訳としては、国連機関3人、プライベートセクター(報道機関)1人、NGO(環境関連)1人です(実はこの5人のうち、パリに残っているのは1人だけです。多くの人々は、そのほかのヨーロッパの国でインターンをしています)。友人がそれぞれ独自にインターンをみつけ、自分の道を切り開いているのを目の当たりにして、誇りに思うとともに、自分もおちおちしていられないなと思っています。

 

パリでの1年間は本当に一瞬で、今では既に夢うつつ状態ですが、今思うと、芸術に触れたり、ヨーロッパの人々とのディスカッションをしたりなどの学びを通じて、日本や米国では絶対にできなかった経験をした一年になりました。それぞれの国や地域の良し悪しはあるものの、いろんな意味でシアンスポでの生活は私に貴重な経験をもたらし、人間的な成長にもつながるような収穫が盛りだくさんでした。シアンスポ、本当にありがとう!

就活についてーぷらんくとんの場合

こんにちは、ぷらんくとんです。

執筆陣のうち、ぺんぎん、いぐあな、しゃちとぷらんくとんは6月末に無事修士課程を修了し、新しい生活を始めています。今回は、修了後の進路について少し書きたいと思います。

 

ぷらんくとんの場合は、

6月 修了式

7月 帰国、就活

8月 引き続き就活、内定

9月 都内のNPOで勤務開始 

というスケジュールでようやく無職生活に終止符を打ちました。

 

早い段階から日本で働くことは決めていましたが、自分が受ける会社・団体で働いている人に直接会って話を聞きたかったことや、もともと検討していた業界にそもそもスカイプ面接の選択肢がなかったことから、本格的に就活を開始したのは帰国後です。(希望する業界の会社・団体が来ていなかったので、ロンドンキャリアフォーラムにも行っていません。)

 

帰国後の就活では、紆余曲折を経て、落ち着くべきところに落ち着いたなあと思います。

狭い業界なので具体的な就職先は記載しませんが、日本における多文化共生や国際協力に関わる仕事をしています。Sciences Poの修士号が正しく評価される団体で、修士課程で学んだ内容を活かすことができているな、と感じています。

 

(ただ、日本におけるSciences Poの一般的な知名度はとても低い、ということは改めて痛感しました。笑 特に、民間企業や大手転職エージェントでの知名度はゼロに近かった。。。)

 

仕事をする上では、具体的なスキルが活きているというよりは、二年間で培った「ものの見方」だとか「考え方」が活きているな、と思います。

 

例えば、Human Right(Thematic Concentration)で学んだ「権利に基づくアプローチ」は実際に多文化共生を考える上でのアプローチに繋がり、インターンを通じて体感した市民社会の力はローカルなアクターとの協業を重視する姿勢に繋がっています。European Studies(Regional Concentration)で学び、実際に肌で感じた欧州の先行事例も、日本の問題を考える上でとても役に立っています。

 

あとは、Sciences Poで得たAcademicとPractitioner双方を重視する感覚も、問題にアプローチする上での選択肢を増やしてくれています。

 

在籍当時はSciences Poの広く浅いカリキュラムや施設的なしょぼさに色々と文句もありましたが、国内の修士課程や日本で仕事を続けていただけでは得られなかった学びだったと思います。そして、学校の外、パリという街から学んだこともとても多かった!2年間の大学院生活を経て、Sciences Poを選んでよかったな心から思います。

 

(ぷらんくとん)

怒涛のインターン探し

こんにちは。こあらです。

 

本日は私のインターン探しについて書こうと思います。

このブログで前出のように、PSIAの場合は、第3学期目にインターンか修論か留学の3つから選ぶことになります。大半の学生がインターンを選ぶのですが、インターンを探すプロセスは学生自身でやらなければなりません。

 

こあらは、シアンスポが強いコネクションを国際機関と持っていて、学生をほぼ何らかの国際機関に送り出してくれるのではないか?といった甘い夢を見ていました。が、その夢すぐに崩れ去り、基本的には自己責任で、自分でインターンを探し、応募し、オファーを確保しなければならないことがわかりました。自分でとはいいつつも、(一応)キャリアサービスのサポートとしては、以下のようなサポート制度があります。

  • (週一回くるはず…?の)ニュースレター
  • シアンスポ生限定の応募ポジション検索エンジン
  • CVとカバーレターの書き方セミナー・面接セミナー
  • シアンスポ学校からの推薦枠(OECD等)

 

上記のサポート制度を駆使しつつ、学生自身でインターンを見つけなければならないのが現実です。つまりプチ就活です。

こあらの場合、半泣きになりながらインターン探しをしていました。というのも、コロンビア大学とのダブルディグリー生は、約240時間のインターンが必須となっているものの、秋学期と春学期はコロンビアで授業があるので、基本的には夏の間にインターンを行わなければならないからです。5月の半ばに学期が終了するので、インターン探しを始めるのは、2月や3月ごろ。。。。つまりシアンスポ在学中の春学期中に授業をこなしつつ、履歴書を様々な会社や機関に送り付け、面接をこなしていかなければならないのです。この生活をこなしていく中で、精神的にも体力的にもえぐられ、倒れるかと思いました。こあらの場合、全部で30社近くに応募し、メールの返信がもらえたり、もらえなかったりと、悶々とした日々を過ごしていました。

特に私の場合は、期間が最長でも3カ月という短いインターンだったので、条件面で非常に苦労しました。多くのインターンシップは最低3ヶ月、通常6ヶ月ということが多く、条件面での折り合いがつかないことが多々ありました。面接を受けては、不採用という連続の中で、学部時代の就活が脳内で何度も蘇り、どこからもインターンのオファーをもらえなかったらどうしよう、、、、などと不安になる日々でした。

 

インターン探し中は、精神的な起伏が激しく、今振り返ってもそんなに楽しいプロセスではありませんでした。ただ、シアンスポで良かったなという点は、学校の事務方はコネクションを直接的に持っていなくとも、2年生や卒業生が様々な機関で働いていてコネクションを持っていたり大学の先生方も頼めば推薦状を書いてくれたりします。例えば、シアンスポのFacebookのページ上では、2年生が1年生に対して、時折2年生がインターンをしている機関の空席をポストしたりしてくれます。こあらの場合は、ぺんぎんさんからインターン探しの開始時期に関するアドバイスをもらいつつ、私の志望する機関で既にインターンをした2年生(韓国の方)にCVを見てもらったりフィードバックをもらったりしていました。また、1年生の間でも仲がいい友人同士で互いにCVやカバレーターを作り、アドバイスし合いました。また、学校の先生に直接お願いして、推薦状も何通か頂きました。このように、学校のネットワークやリソースも自分から積極的に使っていくことが、インターン探しにおいて重要だったと感じています。

 

最後の最後になりますが、「シアンスポPSIAの3学期目でインターンを選択した人々は、なんだかんだインターンは決まるから大丈夫」と2年生から言われました(実際、このブログでインターンを選択した2年生も全員きちんとインターンを修了しています)。なので、私の場合もそこまで心配になる必要はなかったのかもしれません。

このブログを読まれている方で、将来PSIAや公共政策に進む方で仮にインターンを選択する場合、「なんだかんだみんなインターン決まる」ことを念頭に、リラックスした状態でインターン探しに望まれると良いと思います。

 

(こあら)

Sciences Poの修士論文②(執筆中の過ごし方、プレゼン)

こんにちは!いぐあなです。

 

前回に引き続きSciences Poでの修論についてです。

前回は執筆に向けた準備について書きましたが、今回は執筆中の様子や最終プレゼンについて書いていきます。(内容は専門的なので端折っています)

 

学期中の様子

ひたすら書くだけの学期

1月末から始まる四学期目ですが、論文執筆者にとっては明確な開始日がありません。

授業が全くなく、ただひたすらに論文に打ち込むだけの学期だからです。大学との交渉に成功すれば語学の授業を受けたり、論文に関係のある授業を取ったり、同時にインターンを行うこともできるそうですが、大学側はかなり消極的だそうです。

私は授業を一つも取らずインターンもしなかったので、冬休みと学期の区別がつかず、エンジンをかけるのが大変でした(笑)

 

指導教官との面談

Sciences Poからは、月に一度以上指導教官との面談をするよう求められています。Sciences Poの学生は時間にルーズな人が多いので、進捗管理をするための大学側の配慮なのでしょう。

私の場合はそのルールそのものは気にせず必要なだけ面談を設定した結果、結局三週間に一度のペースで面談をしていました。

なお、この面談のペースは先生によります。忙しかったり、学生に冷たかったりする先生を選んでしまった友人は、面談が結局一度きりだったと話していました。大学側は良い顔はしませんが、面談をしなかったからといって成績には影響しません。

 

事務局へのレポート

面談と同様、月に一度のレポートを大学の事務局に提出することになっています。内容は、今月何をやったか、教授との面談は何回行ったか、次の月の予定は、など。

ちなみに、私は一回も提出しませんでした(笑)最後まで催促も来ませんでしたし。意外とスムーズに進んでいましたし、事務局が成績をつけるわけではないので、何の問題もありませんでした。

 

いつどこで書いても良い

四月中旬に論文を提出しさえすれば良いので、時間のマネジメントは完全に学生に委ねられています。それに、作業はどこで行っても構いません。極端なことを言えば、日本に帰って書いても良いわけです。

私はまず、午前中を語学(英語とフランス語)の勉強に当て、午後〜夜を論文の時間にしました。また、大学の図書館が空いている土曜に論文を書き、代わりに平日を休みにするなど、臨機応変に時間管理をしていました。私の友人も、平日の午前中は毎日フランス語の語学学校に通っていました。

 

Grand Oralの代わりのDefense

Sciences Po名物のGrand Oralですが、修論を選んだ学生のプレゼンはGrand Oralとは呼ばずDefenseと呼ばれます。

時間構成は、プレゼンが15分、ディスカッションが20分、今後のキャリアに関する質疑が5分です。面接官は、自分が最初に選んだ指導教官と、その内容に詳しい教授の合計二人です。当日は論文のみ使用が許されていて、メモ・スライドも持込・使用禁止です(質疑のためのノートとペンは使用可能でした)。

 

私のケースでは、プレゼンはほぼ時間どおりでしたが、質疑が延び、全体で50分を越えました。Grand Oralと違い面接官たちは私以外に面接をしないため、時間制限に特に気を使わなくて良かったようです。面接官は、私の分析手法が専門的すぎたためか適任の教授が他に見当たらず、公共政策関係のドクトルの学生がもう一人の面接官でした。

雰囲気としては和やかで、二人とも笑顔で頷きながら話を聞いてくれました。プレッシャーもなく、楽しく時間を過ごすことができたと思っています。

 

論文執筆全体を通しての感想

先の記事に書いた目標は達成できたので、論文を選んで良かったと感じています。同様に論文執筆の機会を活用できそうな人にとっては、良い選択肢なのではないでしょうか。

 

ただし、とにかく自己管理が大変です。

固定の予定がなく、曜日感覚がなくなるほど、全ての時間管理が自分の手に委ねられます。怠けても誰も何も言いません。選んだテーマに対する相当なモチベーションと、そのモチベーションを保つ自己管理ができなければ、辛い学期になっていたと思います。

 

あと、かなり寂しいです(苦笑)

クラスメートたちは大半がインターンでフランスにおらず、他学部の友人は授業が忙しいので、寂しがり屋な人には耐え難い環境かもしれません。私は一人の時間がそれなりに欲しい人間なのですが、それでも寂しさを紛らわすのは大変でした。

 

(いぐあな)

ぺんぎんのぐらんどおーらる

こんにちは、ぺんぎんです。

ほのぼのとしたタイトルですが、内容は全くほのぼのではありません。

 

今回のポストでは、私が5月末に受けたGrand Oralについて書きたいと思います。

Sciences Poの修士学生は、2年間の修士課程最後の儀式として、Grand Oralと呼ばれる口頭試問を受けなければなりません。ただし、これは学外セメスター(学部によって3学期または4学期)でインターンシップまたは海外留学をした人が対象で、修士論文執筆を選択した学生は、代わりにThesis Defenseを行います(いぐあなさんの記事参照→こちら

 

Grand Oralとは。

Grand Oralとは、自らテーマを設定し、2年間で学んだこと、そしてインターンシップまたは海外留学で得た経験を交えて、2人の審査官の前で口頭発表するものです。時間配分としては、学生発表が10分、質疑応答約20分、そして将来のプランについての質問が5分ということでした。現在の形式はこのようになってますが、以前は、試験当日にその場でトピックを選び、1時間後には発表という恐ろしい形式だったそうです。

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たまに、著名な政治家や知識人などがGrand Oralと称して、プレゼンを行うことがありますが、Sciences Poの学生が行うのは、もっともっと小規模なものです。

 

テーマ選択

4月初めに、学校側からテーマのリストが開示されます。今年のPSIAの場合は、30種類ほどのテーマがありました。以下はその一部例です。

  • Challenges of fundamental human rights
  • China’s role in African economic development
  • Conflict and reconciliation in Latin America
  • Drones and war
  • Environmental degradation, a factor of poverty
  • France’s soft power
  • Human right to peace
  • Military power in Europe in the 21st century
  • Nationalism and security in South Asia
  • Reforming the UN
  • Russia’s foreign policy in the 21st century
  • Small states in International Organizations
  • Social entrepreneurship and innovation for development
  • The effectiveness of UN peacekeeping operations
  • The impact of Brexit on the UK’s foreign policy
  • The rise of regional hegemons
  • The security of Africa by African states
  • UNHCR’s response to the migration crisis
  • WHO facing major epidemics

などなど…。詳しくはこちら(リンクは無効になる可能性があります)。

 

Executive Summary執筆

提示されたテーマから、自分が話しやすそうなものを1つ選び、800字のExecutive Summaryと呼ばれる文章を書きます。この文章には、Grand Oral当日に話す内容の概観、Problématique(問題提起)、どのような参考文献を基にしたか、などを記入します。ちなみに自分は、Reforming the UN(国連改革)についてをトピックとして選びました。

 

ですが、5月末に行うGrand Oralの内容が4月初めに決まってるわけあるかい!というのが正直なところ。しかも、この提出が求められる時期は、ばりばり授業期間真っただ中なわけで、他にも課題がたくさんあるのでそこまで時間をかけられないのが実情です

 

このExecutive Summaryの使用方法にも様々な説が学生間に飛び交っており、提出はさせるけどGrand Oralの結果には関係ない、とか、このSummaryを基に当日の質問が決まる等々、実際のところは誰にもわかりません。

 

一番賢い手法としては、800字の中に、自分の話したいテーマの導入部分と問題提起を書くに留め、具体的な結論は当日のお楽しみ…という風にすると、Executive Summary提出後から5月末の当日までに考える時間があって良いのかなと個人的には思います。

 

そして練習

Executive Summaryを提出し終えると、また日々の授業に追われて、Grand Oralのことなんかすっかり忘れます。Grand Oralの日程は4月末に通知されます。スケジュール帳にマークして、またすっかり忘れます。そして、また再び思い出すのが、全ての授業と試験が終わった5月の第2週目ごろ。既に本番1週間強前。大慌てで、自分が書いたExecutive Summaryを引っ張り出し、何を書いたか思い出すわけです。

 

自分の場合は、当日に話す内容を全て書き出し、それを丸暗記しました。丸暗記といっても、一語一句同じ必要はないので、ぼやっとした内容を覚えただけです。でも、発表時間は10分以内と決まっているので(10分を超えた場合に、止められるか、それともそのまま話し続けさせられるかは、審査官によります)、時間を計って練習しました。友達の中には、お互いに発表しあって練習した人も結構いたようです。

 

そして当日

はい、当日になりました。自分の場合は、午後14時からだったので、朝早く学校のカフェテリアに行って(この頃には、授業が終わっているのでカフェテリアはとても空いています)、ただひたすら一人でごにょごにょ練習。周りには自分と同じように、メモを持ってごにょごにょする人が何人か見られました。

 

試験会場は通常の教室です。受付場所に行って、教室の前で待機します。

自分の審査官は2人ともフランス人の教授でした。一人は国際法専門、もう一人は軍縮の専門家。国際法専門の教授の前で「国連はここがダメなんだよ」という話をするのは大変緊張しましたが、思ったよりも和やかな雰囲気でした。

 

自分が10分間話し終えた後、審査官からは6つの質問を受けました。

  • 君は、国連が上手く機能していないと言ったけど、国連がないほうがいいと思う?
  • もし拒否権がなかったとしたら、今のイスラエル・パレスチナ問題は解決すると思う?

など。しどろもどろだったので、他の質問は忘れました笑

多くの場合、審査官はランダムに割り当てられており、自分の発表テーマと全く関係ない専門の審査官がつくこともあるので、質問を予想するのは至難の業です。自分の発表が滑らかにできるように練習するのが最善策かなと思いました。

 

感想

内容についての個人的な感想としては、Sciences Poでの2年間の勉強とインターンの経験から感じた「国連ってInternational Organizationsっていうけど、実際めっちゃ排他的じゃね?国連で保護されない人たちはどうするの?その人たちのことも考えなきゃダメだよね?」という感想を10分間で表現できたので、集大成としてはよくできたかなと思いました。

 

自分もGrand Oralの前はだいぶ緊張&心配していましたが、審査官たちも学生を攻撃して打ちのめそうという気はない(はず)なので、ある程度真面目に準備をすれば大丈夫です。

 

ということで、Sciences Po最後の難関であるGrand Oralについてご紹介しました!

 

(ぺんぎん)

パリ国際大学都市とは

こんにちは。こあらです。今回は私が住んでいるパリ政治学院の多くの留学生が住んでいるパリ国際大学都市(通称:シテウニベルシテ)について紹介します。

 

パリ国際大学都市は、パリの南に位置する大学院生または研究者用の40もの寮の集合体です。寮の多くは国の援助を受けて設立されていて、日本館、アメリカ館、ベルギー館、アルゼンチン館、スペイン館、モロッコ館、インド館などそれぞれの国の名前の館が建っています。

 

<中心となる国際館> 学食やジムが入っています。

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ざっとメリットを書くと以下のような感じになるかと思います

 1. 手続きが楽

パリでの家探しはとても大変と聞きます。特に外国人が部屋を探す場合は、保証人を探したり、ネットの契約だったり、アロカシオン(学生住宅補助)の申し込みをしたり、いろいろと煩雑な手続をしなければなりません。パリ国際大学都市では、水道や電気、ネットが揃っているし、入居手続きもパリ国際大学都市内で済むことも多いので、とても便利です。

 2.値段が安い

パリ国際大学都市は、とにかく家賃が安いです。広さ大体11から18平方メートル程度の個室で、一ヶ月あたり約400-550ユーロの間で値段が設定されています。アロカシオンの申し込みが可能なので、さらに安くなる場合もあります。こあらの知人は、アフリカ館に住んでいるのですが、アロカシオン適用後の値段で300ユーロ以下で済んでいました。私も450ユーロほどでした!

3. 友達ができやすい

パリ国際大学都市にはシアンスポの学生がかなり住んでいます。学校で、どこに住んでるの?と聞かれて「シテウニベルシテだよ!」と答えると、しばしば「え!?私もシテウニベルシテなんだけど、何館!?」みたいな話になったりします。ちなみに、私の住む館にも同じコースメイトが二人住んでいます。なので前学期は試験勉強を一緒にしたりしていました。

 

ここまで読んだ読者の方はきっと「私もシテウニベルシテに住みたい!」と思ってくださったと信じて、入居申し込み方法について書きたいと思います。日本人の方は基本的に日本館を通じた応募になります。したがって、基本的には日本館に応募し、無事入居許可が下りた方が日本館に住めることになります。

但し、ブラサージュという制度があり、日本館以外にも住む可能性がありますが、ブラサージュに選ばれるかどうかは不明ですし、選ばれた場合でもどこの館に住むことになるかまでは1年目は選ぶことができません。

1. まずホームページをチェック

入居者は正規居住者と一時滞在者の2つに分かれますが、ここでは日本人の正規居住者(学生枠)の申し込みプロセスについて書こうと思います。

http://maisondujapon.org/category.html

 *基本的には1年に1回の申し込みなので、時期を逃さないようにしてくださいね!

 

2. 申込書類

まずシテウニベルシテでの申し込みをオンラインでした後に、日本館に入居応募の旨をメールで伝えます。さらに、下記の書類を日本館に郵送で送る必要があります。2017年度の申し込みの要項は以下のとおりでした。推薦状や自己アピールなど、意外と時間のかかるものも多いので、早め早めに動くことをお勧めします!なお、大学の学部生は申し込むことができません。現在は、大学院生(修士、博士いずれでも可)のみを対象にしているとのことです。

 

(a) パスポートのコピー

(b) フランスの研究・教育機関(または指導教授)の受け入れ証明書

(c) 奨学金の証明書(あれば)

(d) 日本の最終学歴の修了証明書

(e) 日本の指導教員の推薦状

(f) 履歴書+自己アピール文(両者とも特に指定書式なし)

(g) これまでの研究内容とこれからの研究計画

 

なお、倍率は不明ですが、非公式情報だと4倍?という噂です。また、学問分野によってその倍率も変わるみたいです。

 

<シテウニベルシテの本館付属図書館>

夜10時までやっているのは嬉しいです!

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