パリ大学院生活 at SciencesPo

フランス・パリ政治学院(通称SciencesPo)に在籍する大学院生のブログです!

パリ国際大学都市とは

こんにちは。こあらです。今回は私が住んでいるパリ政治学院の多くの留学生が住んでいるパリ国際大学都市(通称:シテウニベルシテ)について紹介します。

 

パリ国際大学都市は、パリの南に位置する大学院生または研究者用の40もの寮の集合体です。寮の多くは国の援助を受けて設立されていて、日本館、アメリカ館、ベルギー館、アルゼンチン館、スペイン館、モロッコ館、インド館などそれぞれの国の名前の館が建っています。

 

<中心となる国際館> 学食やジムが入っています。

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ざっとメリットを書くと以下のような感じになるかと思います

 1. 手続きが楽

パリでの家探しはとても大変と聞きます。特に外国人が部屋を探す場合は、保証人を探したり、ネットの契約だったり、アロカシオン(学生住宅補助)の申し込みをしたり、いろいろと煩雑な手続をしなければなりません。パリ国際大学都市では、水道や電気、ネットが揃っているし、入居手続きもパリ国際大学都市内で済むことも多いので、とても便利です。

 2.値段が安い

パリ国際大学都市は、とにかく家賃が安いです。広さ大体11から18平方メートル程度の個室で、一ヶ月あたり約400-550ユーロの間で値段が設定されています。アロカシオンの申し込みが可能なので、さらに安くなる場合もあります。こあらの知人は、アフリカ館に住んでいるのですが、アロカシオン適用後の値段で300ユーロ以下で済んでいました。私も450ユーロほどでした!

3. 友達ができやすい

パリ国際大学都市にはシアンスポの学生がかなり住んでいます。学校で、どこに住んでるの?と聞かれて「シテウニベルシテだよ!」と答えると、しばしば「え!?私もシテウニベルシテなんだけど、何館!?」みたいな話になったりします。ちなみに、私の住む館にも同じコースメイトが二人住んでいます。なので前学期は試験勉強を一緒にしたりしていました。

 

ここまで読んだ読者の方はきっと「私もシテウニベルシテに住みたい!」と思ってくださったと信じて、入居申し込み方法について書きたいと思います。日本人の方は基本的に日本館を通じた応募になります。したがって、基本的には日本館に応募し、無事入居許可が下りた方が日本館に住めることになります。

但し、ブラサージュという制度があり、日本館以外にも住む可能性がありますが、ブラサージュに選ばれるかどうかは不明ですし、選ばれた場合でもどこの館に住むことになるかまでは1年目は選ぶことができません。

1. まずホームページをチェック

入居者は正規居住者と一時滞在者の2つに分かれますが、ここでは日本人の正規居住者(学生枠)の申し込みプロセスについて書こうと思います。

http://maisondujapon.org/category.html

 *基本的には1年に1回の申し込みなので、時期を逃さないようにしてくださいね!

 

2. 申込書類

まずシテウニベルシテでの申し込みをオンラインでした後に、日本館に入居応募の旨をメールで伝えます。さらに、下記の書類を日本館に郵送で送る必要があります。2017年度の申し込みの要項は以下のとおりでした。推薦状や自己アピールなど、意外と時間のかかるものも多いので、早め早めに動くことをお勧めします!なお、大学の学部生は申し込むことができません。現在は、大学院生(修士、博士いずれでも可)のみを対象にしているとのことです。

 

(a) パスポートのコピー

(b) フランスの研究・教育機関(または指導教授)の受け入れ証明書

(c) 奨学金の証明書(あれば)

(d) 日本の最終学歴の修了証明書

(e) 日本の指導教員の推薦状

(f) 履歴書+自己アピール文(両者とも特に指定書式なし)

(g) これまでの研究内容とこれからの研究計画

 

なお、倍率は不明ですが、非公式情報だと4倍?という噂です。また、学問分野によってその倍率も変わるみたいです。

 

<シテウニベルシテの本館付属図書館>

夜10時までやっているのは嬉しいです!

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フランス名物 - ストライキ

みなさんこんにちは。ぺんぎんです。

突然ですが、図書館に入れません。

 

なぜなら、学生運動が起こっているから。

 

フランスは、 ヨーロッパでも特にgrève(ストライキ)が多いことで悪名高い国ですが、まさか学校でも起こるとは。想像の上を行く国フランスです。(ちなみに、grèveという語は労働者が行う抗議運動のみを指す単語で、学生の場合はblockageという単語を使うそうです。)

 

つい先週も2,3日ほど、学生運動によって学校の建物が占拠されて、多くの学生が居場所を失い(ただでさえ勉強スペースが少ない学校なのに)、そして多くの授業が休講・日時変更されました。

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こんな感じ。

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普段学生が出入りしている黒い扉が閉まり、垂れ幕が掲げられています。いくつかメディアも取材に来ていたもよう。

 彼らの抗議の矛先は、マクロン大統領が現在行っている一連の改革です。大雑把に言えば、大学制度改革と移民法改革です。自分もあまり詳しいところまではわからないのですが、わかる範囲で、少しご説明しましょう。

 

大学制度改革

今まで、フランスの学生は、baccalauréatと呼ばれる高校卒業認定試験に一定程度以上の成績で合格した場合、国立大学への入学がほぼ保証されていました。基本的に、大学・学部の選択は自由で、応募数に応じて受け入れ人数を調整していたそうです。あまりにも入学希望者が多い場合はなんと、推薦書や高校の成績などは一切考慮されない抽選方式での選抜でした。

この教育制度の弊害として、大学入学者の脱落率の高さ(勉強する気はないけれど、何となく大学に入ったという学生が多い)、学士号保持者の就職率の低さ(全体の就職率よりも低いそうです*1)、職業学校への進学率の低さ(職業学校は大学などに比べて、ランクの低い学校として扱われています)等々、様々な問題が露見してきました。

そこでマクロン大統領は現在、La loi sur l'orientation et la réussite des étudiants(ORE法)という法律を導入し国立大学への入学に選抜方式を導入しようとしています。今回の学舎でのたてこもりはこの改革に対し、「選抜方式を導入することによって、経済格差で教育の機会を差別することになるので不公平。エリート養成主義の助長である」などといった主張をしています。

 

移民法改革について

現在フランス政府は、今までの移民法を改変し、より厳格な規定を施行しようとしています。内務省の言い分としては、現在のフランス移民法はEU法規定の要件よりもだいぶ緩やかであり、今回の法律改正によってよりEU法に近づけた(より厳格な)要件にするとしています。主な論点は以下の4つ。

 

難民認定手続きの迅速化

現在平均して約1年かかる難民認定手続きを6カ月に短縮するとしています。しかしこれによって、現在庇護希望者はフランス入国時点から120日以内の難民申請が義務付けられていますが、その猶予期間が90日に短縮されます。また難民認定裁判所(Cour nationale du droit d’asile - CNDA)から認定拒否された場合の再審請求期間も、認定拒否の時点から15日に短縮されました(現在は認定拒否後1カ月間)。これによって、庇護希望者の再審要求の権利が行使しにくくなり、本国送還の可能性が高くなります。また、一定要件を満たす人(紛争地域以外出身の庇護希望者など)に対しては、再審請求以前の本国強制送還も可能になります。

 

拘留期間の延長

行政的理由での拘留期間が現在の最長45日から、90日に拡大されます。

 

難民認定地点の再分配

現在は、庇護希望者が入国した地点で難民認定手続きが行われていますが、この法案によって、フランス政府が個人の難民認定手続きが行われる場所を指定できるようになります。これによって、現時点で難民が溢れかえっているイギリスとの国境カレーなどにいる庇護希望者をフランスのその他地域に移送し、難民認定を行うことができるようになります。しかしこの制度によって、既に家族がフランスに居住している庇護希望者などが家族と離れ離れになるなどの弊害が予想されます。

 

不法入国者への制裁

指定された入国地点以外から違法にフランス国境を越えた場合、最長1年の拘禁または最高3750€の罰金が科せられます。また、偽造書類を使った入国の場合、より厳しい制裁が科せられます。

 

その他にも、改善した点はいくつか(同性愛が原因の追放も考慮される等)ありますが、全体的にやはり、難民認定のハードルは高くなっています。

より詳しく知りたい人は、こちら

 

ということで、大まかに以上2点について、学生たちは抗議しているわけですが、一般学生のこのblockageに対しての反応は様々です。

  • (+)全国で拡大する学生運動に呼応して、マクロン大統領の出身校である「エリート校」Sciences Poが今回の制度改革に反対し、学生運動へのSolidarité(連帯)を表すことで、この問題の重大さを際立たせることができる。
  • (+)これはフランス国内のみに関わることではなく、他の国々にも関わる経済格差やエリート主義、教育の自由という理念の問題。
  • (ー)Sciences Poは、ENAやENSと同じように国立大学ではなくグランゼコールという部類の学校なので、入学試験が課されています。その難関試験を突破してきたSciences Poのフランス人学生が何故大学入学試験に反対しているのか。
  • (-)世界的に見ても、大学入学試験がないほうが稀なのではないか。
  • (-)Blockage参加者のフランス人学生の主張もわからなくはないが、ではフランス人学生より平均して5倍ほど授業料を払っている非EU学生への大幅に不公平な措置に対しては何故何も言わないのか。


このように、GrèveにせよBlockageにせよ、何かに反対するとき一致団結して行動を起こすのは、恐らく歴史的に見てもフランス人の血のせしめるものなのでしょう。個人的にも、これは一種の民主主義の方法だと思うので、このBlockage自体に反対しようとは思いません。

でも、今回のBlockageは約70人ほどの独断と偏見で決行されたもので、大多数の学生の意見が全く取り入れられていません。多くの授業が休講になったことで、多くの学生の予定が狂いました。また特に我々非EU学生としては、「フランス人よりも大幅に授業のためにお金を払っているのに、フランス人学生のせいで授業が受けられず、図書館も使えない」というのが、だいぶストレスのもとになっているのは確かです。

 

日本ではもはやあまり見かけなくなった学生運動、一概にいいのか悪いのか言えない難しい問題です。

 

それはとにかく、その後数日間、図書館は使えませんでした。

 

【参考資料】

 

(ぺんぎん)

 

勉強以外のSciences Po

みなさんこんにちは。ぺんぎんです。

 今日は皆さんに、パリ政治学院の勉強以外の面をご紹介しようと思います。

 パリ政治学院の学生も、もちろん毎日ただひたすら勉強ばかりをしているわけではありません。日本の大学ほど種類は多くありませんが、ここにも様々な課外活動が用意されています。すべてをここで網羅するわけにはいきませんが、いくつかご紹介するので、Sciences Poでの生活の勉強以外の面を皆さんに知ってもらえたらなあと思います!

 

課外活動には大きく分けて三つのカテゴリーがあります。

  1. アート・スポーツの授業
  2. クラブ活動
  3. 学生団体・学生イニシアティブ

 

アート・スポーツの授業

 パリ政治学院では、通常の授業以外に芸術とスポーツの授業が用意されています。

  アートの授業は、BdA(Bureau des Arts)という学生団体が担当していて、絵画や映画撮影、詩といった一般的な芸術の授業や、ビールの授業なんていうのもあります。多くはフランス語での授業ですが、英語での授業もいくつかあります。詳細はこちら

  スポーツの授業では、Sciences Poが提携しているパリ市内にあるスポーツセンターや道場などに行って授業を受けます。こちらも、幅広い選択肢があり、メジャーな球技を始め、社交ダンスや乗馬、太極拳、フェンシングなどいろいろあります。詳しくはこちら

  これらは授業なので、登録すれば単位をもらうことができます。その場合は、通常の授業と同じルールが適応され、2回以上の欠席で失格とみなされます。また、これら両方とも、別途登録料と教材費がかかります。

 

クラブ活動

 あまり数は多くないですが、Sciences Poにもクラブ活動があります。ここではいくつか代表的なものをご紹介しましょう。

 Sciences Po Refugee Help

 難民支援を行っている学生団体です。フランス国内で活動する難民支援系学生団体の中でも結構大きい部類のようで、庇護希望者に対して法的支援を行うチーム、フランス語教室を開講するチーム、路上や難民キャンプで生活する人たちに物的支援を行うチームなどに分かれて活動しています。

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 Bureau des Arts (BdA)

 上で挙げた芸術の授業を担当している学生団体です。アート授業のほかに、頻繁にSciences Poの学生対象のバーナイトを開催しています。BdA主催のアートに関するイベントなどもあるようです。

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 Chœur et Orchestre de Sciences Po (COSP)

 パリ政治学院の学生で構成されるオーケストラと合唱団です。それぞれ週1で練習しており、1学期に1回、校内の講堂でコンサートを行っています。その他にも、近くの教会などで、ゲスト演奏をすることもあります。特に学校からの金銭的補助があるわけではないので規模はそれほど大きくなく、全員自分の楽器を持ち寄って参加しています。

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学生団体・学生イニシアティブ

 パリ政治学院の学生は、学校公認の学生団体またはイニシアティブを設立することができます。この2つの違いは、学生団体が長期的な活動であるのに対して、学生イニシアティブは、各学期ごとに学生投票によって選出され、その1学期間のみ公認団体としての活動が許可されます。詳しくはこちら 

Association de Sciences Po Pour l'Afrique (ASPA)

 アフリカ地域に焦点を置いた学生団体で、アフリカの文化や政治などのイベントを開催したり、議論の場を提供したりしています。

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Junior Diplomat Initiative (JDI)

 フランスのほかにスイスやチェコでも活動している団体JDIのSciences Po支部です。パリ所在の各国大使館の訪問を企画し、大使館と学生間のディスカッションなどを主催しています。

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Ramen-toi

 日本好きと韓国好きが集まった学生団体です。日本語・韓国語・フランス語のLanguage Exchangeを支援したり、日本料理・韓国料理のイベントを開催したりしています。

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Sciences Po Club Chine (C2)

 中国人学生の団体です。文化イベントの他に、中国関連のゲストスピーカーを呼んだディスカッションイベントなどを主催しています。

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 今回は、Sciences Poでできる勉強以外の活動についてご紹介しました。

 学生数も多く授業数も多いので、授業だけではなかなか友達を作るのが難しいSciences Po。これらの課外活動で知り合いを増やすのも良い選択かもしれないですね!

 

(ぺんぎん)

Sciences Poの修士論文1/2(手順、先生の探し方)

こんにちは!いぐあなです。

二年間のコースだと二年目にインターンをする学生が多いのがパリ政治学院ですが、私は学内でも珍しく、インターンの代わりに修士論文を書いています。インターンに比べ、大学から提供される情報が少ないので、パリ政治学院での修論について二回に分けて書いて行こうと思います!

一回目の今回は、修論開始までの手順についてです。

 

他学部の情報も知っている限りは盛り込んでいますが、私の所属する公共政策の情報が基本になっているのでご注意くださいね。

正式な情報は、例えば下記のリンクをご覧ください。

公共政策

http://www.sciencespo.fr/public/en/content/mae-master-s-thesis

PSIA

http://www.sciencespo.fr/psia/content/masters-thesis

 

修論を選んだ理由

そもそも私が修論を選んだ理由は、まとめると下記のようになります。

・四年間の職務経験があるため改めてインターンで経験を積む必要は特にないと考えた

・将来博士課程に進むことを視野に入れ、社会科学分野での修士論文を書いておきたかった

・日本に帰るとじっくり時間を取れない文献に多く触れたかった

修論の概要

まずテーマについては、特に縛りはありません。ただし、執筆する上では下記のような要件がいくつかあるため、実質的にはある程度絞られてきます。

・本人の経験や問題意識を書くこと

・授業で習ってきたことを盛り込むこと

・学術的な背景について文献を引用し説明できること

・パリ政治学院のフルタイムの先生をアドバイザーにつけること

 

ページ数は50ページ以内とかなり少ないです。しかもイントロダクションや補注を含めた上に行間1.5行と幅が広く、その他文章を圧縮できないように様式に細かい指定があります。アカデミックな大学ではないパリ政治学院らしさがここにも現れています。

それもあってか、ちゃぶ台を返すようですが、Mémoire(英語だと Research thesis)という言葉を使っておきながら正式な「修士論文」ではありません。「将来の博士課程への入学を保証するものではない」とのことですので、その点もご注意ください。(私の論文も他大学でどう扱われることやら・・・)

正式な修論を書きたい人はドクトラルコースか他の大学へ進むべきだと思います。

始まるまでの手順

※【】は自主的に行うべきこと。その他は大学が求めるプロセス

PSIAの場合:Methodologyに関する授業(二学期まで)

PSIA(国際関係の学部)の友人から聞いた話ですが、PSIAでは統計学などの授業を履修したことが論文選択の必須条件です。公共政策では統計学が必修のせいか、このような要件はありません。

【テーマ決め、文献探し】:夏休み

個人的な経験では、執筆開始の半年以上前の5月ごろからテーマの当たりをつけ、関連の文献を読み始めないと間に合わないという印象です。私は、二学期目が終わるとすぐに、大学のデータベースから関係ありそうな論文を片っ端からダウンロードし、語学留学先のカナダに持って行って隙間時間に読みながら、テーマを絞っていきました。

簡単なアンケートによる非公式な申請:10月初旬

大学から四学期目に何をするのか調査するためのアンケートフォームが届きます。(ただし、この時点で交換留学の申し込みはの締め切りはすでに過ぎています。)

先生探し→先生との面談:10月〜11月

アンケートで修論を選ぶと、テーマに合わせた先生を選ぶよう大学から指示されます。その方法は、大学の各研究所の教授陣のリストから先生を探し、自分でアポを取り了解を得るというもの。研究所ごとにフォーマットも情報量も全く違うので、何とも原始的で骨の折れる作業です・・・

http://www.sciencespo.fr/recherche/fr/content/les-unites-de-recherche

 

しかも、いざアポを取って会ってみると、「修論のアドバイザーって、私(教授)にとって義務なの?聞いたことない」と言われる始末。自分の大学の先生に対して修論の仕組みを説明するのは、我ながら滑稽でした(笑)

この先生探しと先生からの追加文献の処理に時間がかかるからこそ、テーマ決めと文献探しを夏休みのうちに進めておくべきだと思います。

大学からの説明会(11月中旬)

修論を選ぶに当たって知っておくべきことについての説明会が開催されます。とは言っても、修論の概要(プロポーザル)の提出の一週間前に開かれるので、説明会の開催を待たず事を進めるべきです。

私の場合は、説明会までにプロポーザルが書き上がっていたので、説明会の内容を踏まえて内容を調整し、すぐに提出できました。

プロポーザルの提出(11月下旬)

論文の概要や執筆スケジュールをA4で二枚以下にまとめたプロポーザルを大学に提出します。その後、大学側が審査をし12月中旬に合否が出ることになっており、合格が出たら無事に論文執筆開始です。ちなみに、私には合否の連絡が来ませんでしたが、別の連絡をした際の感触だと修論を選択した人間として無事に登録されていたようです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

他国への交換留学生に対しては手厚い情報提供があったのに比べると、修論執筆に関してはインターンと同じく、大学のサポートは皆無に等しいので自力で先手を打って準備していくことが必要です。

 

次回は、実際に論文を始めてから提出までの流れを書きたいと思います!

なぜSciences Po?(かもの場合)

こんにちは。

パリ政治学院のアルムナイとして投稿依頼をされたかもです。

私は2016年にパリ政治学院の修士課程を修了後、現職では、Junior Professsional Officer(JPO)として国連機関で気候変動関連の業務に従事しています。

バックグラウンドとしては、国内の文系学部卒、パリ政治学院のMaster in International Public Managementを修了しました。現職の前は、主に気候変動/エネルギー・インフラといった分野の調査研究・コンサルティングに合計3年間従事していました。

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私がフランスでの修士課程に興味を持ったのは、学部時代に社会学・哲学の本を読み漁っていて、ヨーロッパの思想史への関心が特に高かったことが挙げられます。その後のキャリア形成を考えて、大学院での専門分野は人文科学ではなく国際関係・公共政策にしました。学部時代からフランスやドイツ思想に関心が多かったため、特にドイツやフランスなどのヨーロッパ大陸側の大学院に行くことに学部時代から興味を持っていました。Sciences Poには以前から興味を持っていたこともあり、入学にいたりました。

 

また、給付の奨学金+貯金を原資とした留学でしたので、学費を抑えるといった意味でもヨーロッパ大陸の大学院が魅力的であったこと、フランスのグランゼコールの高等教育システムに学部時代から関心を持っていたこと等もパリ政治学院に決めた要因です。

 

OBとして感じるSciences Poの強みは、Sciences Poではフランス国外の通常の大学院に比べて数多くの授業を取らざるを得ず、知識を多く詰め込むことができる点だと思います。私は、実務に活かすことを見据えた勉強では、知識のカバレッジをできる限り広めつつ自分の分野に関しては更に深い知見を身につけることが重要であると考えているため、Sciences Poで勉強してよかったなと感じています。逆に言うと、限られた範囲のみを深く追究されたい方には、Sciences Poは不向きであると思います。

 

また、現在勤める国連機関の中にはSciences Poのアルムナイが数多くいるため、修了後に国際的なキャリアを積んでいくことを望まれる方にはSciences Poは望ましいかと感じます。

 

また、英語で授業を取りつつフランス語を並行して勉強するには最適の環境です。マルチ言語を習得したいといった方には向いていると思います。私も在学中から勉強を始め、卒業後も勉強を続けており、業務遂行レベルまで引き上げることを目指しています。

 

非英語圏の仏語圏に位置し、また授業数が通常の大学院よりは倍近く多い、と言った点は、Sciences Poの長所でもあり短所でもあると思います。私は長所の部分を最大限に活かすことができました。私の周囲を見ていても、それが全ての人には当てはまっていないと感じています。大学院選びは長期的なキャリア形成に影響を及ぼすと思いますので、大学院留学を考えられている方は、目先の情報に惑わされず自分の思う教育スタイルやキャリア観を踏まえた上で選択することが重要であると思います。

(かも)

らっこの就活

こんにちは。PSIAのHuman Rights and Humanitarian Action卒のらっこです。

今回は、SCPO卒業後の就活について話したいと思います。

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結論から言いますと卒業後は日本に帰国し、今は政府系の機関で人道支援の分野で働いています。この職場では私が一番新人なので、コピーをとったりすることも多々ありますが、非常に歴史のある組織の中で頭キレキレの上司にも恵まれ毎日が勉強です。

正直、卒業後は、ヨーロッパ、中東またはアフリカでインターンシップをしたいなと思いましたし、上記の地域での就職を夢見ていた時もありました。しかし、卒業にあわせて奨学金の支給が終わり金銭的に残るのが難しくなるため諦めて日本に帰国することにしました。

 

就活は、就活解禁となった3月ごろからなんとな〜くやっていた程度でした。マイナビとリクナビには登録しておき、興味のある会社にはエントリーする。でも、Sciences Poの課題との兼ね合いで全ての興味のある会社にはエントリーシートを送れませんでした。なぜかというと4月・5月がエントリーシートの締め切りが集中しますが、それはSciences Poの課題の締め切りと丸被り。きちんと卒業する方が重要なので課題を優先するとやはりエントリーシートは後回しになります。結果としてエントリーシートを送れたのは数社でした。オンラインで提出できるものばかりではなく、紙で提出するのも結構ありました。印刷し記入しパリから日本の会社に送付する作業はえらい時間がかかります。。。(←この紙での作業を要する日本の就活はあほらしいです。誰か変えてください。笑)

しかも、頑張ってエントリーシートを送ったところからは、残念な結果がメールで送られてくる始末。6月頃には最後のパリをエンジョイしようという想いが強くなり、就活はかなり諦めモードに入っていました。

 

日本に帰国したのは、卒業式に参加したのもあって7月中旬。ここからが、私の本気の就活開始時期だったと思います。帰ってきてからは、主に帰国生向けの会社説明会やフォーラムに参加しました。その中で、らっこの専門の人権・人道支援に少しでも関係のある仕事に応募をし、面接をこなしていきました。私は、大学卒業後すぐに大学院に進学したので、日本での就活経験はなく試行錯誤の日々でした。

その中で、ある企業の方に海外志向が高すぎてうちには合わないとのコメントをいただきました。この企業は、日本企業の中でもグローバル企業と大々的に謳っているところだったので、国際性の高さが評価されないことに落胆というより驚きでした。

そして、あるNGOの方には即戦力になる人を求めているとの率直なコメントをいただいたりしました。このNGOや他の多くのNGOの場合、スタッフの教育に予算をあてる余裕がないため、すでに就業経験が数年間あって即戦力になる人を求めます。私はインターンシップ等の経験があっても、日本のオフィスで働いた経験がありません。試用期間ありのオファー(その期間は無給)はいただきましたが、正式な雇用には繋がらないだろうと判断し断念しました。

 

最終的には、政府系の機関から9月中旬に採用してもらいその翌週から働き始めました。帰国したのが7月中旬なので私の実働の就活期間は2ヶ月間でした。比較的短い就活期間かもしれませんが、上記に書いたとおり色々とスムーズには進みませんでした。

冒頭でも少し書きましたが、本当は海外で人権や人道支援の分野で働きたかったです。しかし、人権・人道支援の分野や他の国際協力の分野では、最低でも2年間の就業経験がマストなので、就業経験ゼロのまま大学院に進学した私は、ほとんどの仕事の応募要件に満たないのです。敗北感を感じながら日本に帰国した事実も否めないですが、今は日本で働いてよかったと思っています。

2年後には、人権・人道支援の分野のフィールドでの仕事に就けるよう、今は色々なスキルを磨いていく時期かと思っています。

 (らっこ)

ぷらんくとんのインターン生活(NGOの場合)

みなさん、こんばんは。

ぺんぎんと同じく、3セメスター目はインターンシップをしていたぷらんくとんです。国際機関@パリで働いていたぺんぎんと違い、フランス国外のNGOでインターンをしてきました。 

具体的には、ブリュッセルにある人権系ネットワークNGOで4カ月弱、リサーチ・アシスタントとして働きました。ブリュッセルはEUの実質的首都で、EU政治に物申したいアドボカシー団体が多く集まっています。私が働いた団体もそのうちの一つでした。 

インターンを終えての満足度は200%くらい!・・・ですが、インターンを探して始めるまでに苦労したので、今回はその辺を中心にお伝えしたいと思います。

 

 学校からのサポートはほぼ皆無

 ぺんぎんの投稿からもわかるかと思いますが、プログラムの一環とはいえ、学校のサポートはほぼありません。自分でみつけて、自分で応募するというのが原則です。 

PSIAの場合、多くは国際機関や政府関連機関、国際NGO/シンクタンクを志望しています。下の図でみると、志望度・情報量は青色>緑色>白色の順です。

 

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欧米圏の学生は比較的抵抗なく自国に帰ってインターンをしているようでしたが、アジア圏の学生は、できればヨーロッパで就業経験をつみたい、という想いで来ている学生も多く、「まずはパリの国際機関やNGOをあたってみて、難しかったら、バンコクの国際機関(地域事務所)やNGO、それでもなかったら母国」という会話をよく耳にしました。(もちろん初めから母国の機関やフィールドオフィスを志望している場合もあります)

ただ、フランス語が堪能でない学生にとって国際機関以外でパリに残ることは難しく、また最終的に良いオファーを別の国でもらったなどで、半数以上はフランス国外でインターンしていたように思います(親しいアジア系の同級生達は、パリ4人、ベルギー2人、バンコク2人、オランダ1人、ジュネーブ1人、韓国1人、香港1人といった具合です)。

ぷらんくとんは、上の図の白色部分にあるローカルなNGOで経験を積みたい(欧州の市民社会のあり方を学びたい)と思っていたので、情報も少なく、また、分野的にローカル言語を使えないというハンデもあり、当初は応募先をみつけることに苦労をしました。

そこで、キャリアセンターに相談にいったところ、アカデミック・アドバイザーに相談をしに行けと言われ、アカデミック・アドバイザーに相談にいくと、希望機関がどこかはっきりしていないと助けられないと言われて、「希望機関がはっきりしてたらそもそも相談に来てないわ」と頭に来たのは今ではいい思い出です。

また、ローカルなNGOで探していると伝えたところ、多くの学生は大手のNGO(青色部分)でインターンすることが多い、そういう人は珍しい(すなわち助けられません)とバッサリ言われました。

結局、緑色部分の「地域統合体(EU)関連NGO」に狙いをシフトし、ネットでみつけたNGOからオファーをもらいました。

ただ、パリ政治学院にいることが無意味だということではなく、CVを送って返信をもらえたのは、パリ政治学院のヨーロッパ内でのブランド力・信用力の高さのおかげだと思います。

 また、私のように分野を限定したり、ローカルな仕事にこだわらなければ、インターンの情報量・早さは名門校ならではです。アカデミック・アドバイザーからは1週間に510通ほどインターン関連のメールが届き、学生のFacebookページではインターンの情報が頻繁にシェアされます(例えば、自分の勤務期間が終わるので後任者を募集している等)。こういう生の情報は外部からアクセスすることは難しいので、これはパリ政治学院で学ぶ大きなメリットだと思います。また、OECDに関しては、学内での選考があり、それを通るとOECDでの選考はなくインターンのオファーをもらえる、というルートも用意されています。

 

VISAの問題

 私が働いたのはスタッフ10人の小規模なNGOだったので、選考は書類審査と担当者との電話インタビューのみでした。ただ、正式なオファーの前に、「そういえば、ブリュッセルで働けるの?ヨーロッパ国内からしかインターンを受け入れたことがないからわからない」といわれました。

というのも、ヨーロッパ内ではThird Country National(略称TCN。第三国民って日本語で書くと微妙ですね)かどうか(シェンゲン加盟国の国籍を持っているかどうか)で法的地位が大きく変わります。TCNは、無給インターンであっても90日以上であれば労働VISAを取り直し、加えて労働許可を取得する必要がありました。(学校の単位取得要件は14週間以上なので、1週間オーバーです。)

学生内では、既にシェンゲン域内に居住しているから要らない、だとか、一度途中でフランスに帰ってくればいい、という噂もありましがた、正式にはきちんと取得する必要があります。

私の場合は、最後の一週間をパリからリモートで働く、という手段をとったのでこの問題はクリアできましたが、これ以外にも、フランスでの滞在許可の更新(更新のタイミングがフランス外でのインターン期間と重なる)、引っ越し、新しい家探し、、等々、パリ以外でのインターンは面倒くさい手続きが盛り沢山でした。

 

インターンシップの満足度

ただ、ベルギーでインターンできたことはとても満足しています。

もともと志望していたローカルなNGOではありませんでしたが、それ以外の志望ポイント(ヨーロッパ内の人種差別について取り組んでいる団体、職員数1012人程度、リサーチ職)を満たすポジションがみつかり、勤務自体も想像以上の学びがありました。最終的にはローカルなNGOで働くより、よい経験ができたと思います。

人種差別に関するレポートの編集や移民を対象としたアンケート調査の実施・分析に携わったのですが、各国の団体や研究者と直接関わることができました。市民社会における考え方や問題解決のアプローチを学びながらも、ブリュッセルでEUの超国家レベル・国家間レベルの政策形成をかいま見ることができたのは、今後のキャリアを考える上で実りある経験でした。

また、ブリュッセルの公式言語はフランス語とオランダ語ですが、”EU Bubble”の中にいる限りは英語だけで生きていけるので、ローカル言語が就労レベルにないけれど大陸ヨーロッパで働きたい、という人には、ブリュッセルはオススメです。

そして、最後に、ヨーロッパ中から集まった多様なバックグランドを持った同僚と共に働けたことは、純粋に刺激的で楽しかったです。そういう点でも、ヨーロッパの大学院を選んでよかったなと思います。


(ぷらんくとん)