ヨーロッパならでは、と感じること

こんにちは、ぷらんくとんです。

今日は、Sciences Poで、ああヨーロッパ(orフランス)ならではだなあ、と思うことをつらつらと綴ってみようと思います。今回の投稿は、主にぷらんくとんの個人的な感想に基づいています。必ずしもほかのメンバーも同じように感じているのは限りまぜんので、その点ご承知おきいただければ。

 

1)多様なバックグラウンド

とにかくたくさんの国から学生が集まっています。アメリカと比べても学生の国籍には多様性があるといってもいいかもしれません。歴史的つながりのある国々(マグレブなどのフランコフォン諸国)以外にも、ヨーロッパ中から学生が学びに来ています。

 

特にEU内は交換留学やダブルディグリーの制度が積極的・戦略的に推進されており、今学期はパリ、来学期はベルリンなの、もしくはロンドンなの、なんて学生が多く在籍しています。

 

また、国際情勢の話になると、関係する学生が最低1人はクラスにいるので、実体験に基づく話を聞くことができます。例えばクリミア半島の話をウクライナ人から、シリア情勢をシリア人から聞いたり、同じクラスにイスラエル人とパレスチナ人が席を並べていたりします。

  

2)歴史の連続性

教授が、ナポレオン時代のフランスを”We"と呼んでいた時には、おお、と思いました。当たり前といえば当たり前なのですが、21世紀の学問の多くが西欧の経験をベースにしていることを考えると、やはり「本場」で勉強をしている感があります。

 

難民や移民などの現代社会の問題も、過去の植民地主義と切っても切れない関係ですから、その当事者であるヨーロッパだからこその立場やジレンマを(この様々な問題が表面化している難しいタイミングで)ヨーロッパの側から学ぶことができるのは得難い経験だと感じます。

 

また、歴史の蓄積という観念でいえば、もちろん専攻によりますが、私が受けた授業では、歴史的な背景が非常に重視されていると感じました。例えば、課題文献に古典的な文献が多く出されたり(クラウセヴィッツの「戦争論」や、カント、ヒューム等の原文)、哲学的な要素が強い授業も多く、アメリカからの交換留学生の経験を聞くところによると、これも欧州ならではなのかな、と思っています。

 

 3)ヨーロッパならではの視点

 昨年のトランプ当選を受け、Sciences Poでも多くの関連イベントが開催されていました。わたしはヨーロッパ各国の外相経験者(且つ、現Sciences Po教授陣)5名のディスカッションを聴きにいったのですが、中東情勢に関して、

「もしアメリカが手を引くならば、歴史的にも利害関係のあるヨーロッパが、今こそアイデンティティを一つにして、プレゼンスを示していくべきだ」と、イタリア元外相が熱弁をふるい、拍手喝采を浴びていたことが、非常に印象に残っています。

 

日本のメディアを通して中東情勢をみると、そのあまりの泥沼化に更なる介入には疑問符がつきますが、やはりヨーロッパからみると、経済的な要因以外にも、地理的(対ロシアや難民問題)や歴史的(ヨーロッパのプレゼンスやプライド)という意味で「譲れない」。

 

陸続きであり当事者であるヨーロッパならではの視点を、直接肌で感じることができるのは、現在の国際情勢を理解する上で、とても重要なことだと感じています。

  

と、なんだか固めな話になってしまいましたが、その他には、ああ、やっぱりフランスって階級社会なんだな、とか、豊かな歴史があるからこそ、変わることが難しいんだな、とか日々の生活からしみじみ感じることも多いです。

 

あとは、日本にいるときには「欧米」と一くくりに考えていたけれど、「欧州」と「米国」どころか、「欧州」の中でもこんなにも違うのか!と、各国の学生と話していると気付くことができるのも、ヨーロッパならではでしょうか。

  

留学を考えるとき、まずはアメリカが頭に浮かぶ方も多いと思いますが、ヨーロッパではまた違った視点で学ぶことができるので、ぜひ検討候補に加えてもらえたらいいなあ、と思います。

 

(ぷらんくとん)

 

学部紹介―PSIA編

こんにちは。

期末試験を言い訳にブログを放ったらかしにしていたぺんぎんです。

 

いぐあなさんが公共政策系の学部の説明を書いてくれたのに続いて、今回はぺんぎん・ぷらんくとん・きりんが所属している、国際関係系学部のParis School of International Affairs(以下PSIA)をご紹介したいと思います。

 

学部の構成

PSIAは、2年間の修士課程8学科、1年間の修士課程1学科、その他デュアルディグリープログラムなどで構成されています。

それぞれの学科の説明はPSIAホームページ(こちら)で確認してもらえればと思いますが、違う学科に所属していても授業がかぶっていることがよくあります。

学科ごとに全く違う授業が用意されているというよりも、授業の選択肢は同じだけど、取らなきゃいけない授業の比率が違うといったほうが適切かと思います。

 

例えば、Master in International SecurityとMaster in Human Rights and Humanitarian Actionで比べてみると、前者のほうがより安全保障・戦略論などの授業を多くとらなけらばならず、後者では国際人権法や人道法などの授業が多く要卒単位として設定されています。

 

逆に、International Securityの学生も、国際人権法や人道法の授業を受講できますし、その場合はHuman Rightsの学生と同じ授業を受けることになります。

 

授業の構成

じゃあ、どの学科を選ぶかどうやって決めればいいの?

という話になるのですが、ここで各学科で何が要卒単位として設定されているかを見てみましょう。

ここでは、ぺんぎん・ぷらんくとん・きりん全員が所属するInternational Securityを例にご紹介します。

 

PSIAのホームページから自分の興味がある学科のページに飛んでみましょう。

 

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そして、その学科のカリキュラムを見てみます。

 

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ここでは、2017-2018年度のカリキュラムが表示されています。

International Securityでは、

  1. Formation Commune(全学共通科目):週1授業(春秋1つずつ)
  2. Skills(数的処理科目):週1授業(春または秋学期に1つだけ)
  3. Core Curriculum(学科共通科目):週3授業(各カテゴリーから1つずつ)
  4. Concentration(重点専門科目):週2授業
  5. Languages(外国語):週1授業

の5つが必修になっています。

 

では、1つずつ見ていきましょう。

Formation Commune

これは、Sciences Poの修士学生全員対象の授業です。

ほとんどの授業は大講義形式で、政治学や人類学、哲学などの一般教養の授業です。秋学期と春学期で1種類ずつ受講します。

 

Skills

STATAというソフトを使った統計学の授業や、簡単な微分積分などを使った数的処理の授業です。これは秋学期または春学期に1つ受講します。

 

Core Curriculum

学科によって違ってくるのはこの部分です。

各カテゴリーから1科目ずつ受講します。この表のカテゴリーは、各学科の秋学期のもので、春学期には別のカテゴリーになります。

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Concentration

コンセントレーションとは、上記の学科別Core Curriculumとは別に、個人ごとに専攻テーマと専攻地域を指定する制度です。

これのおかげで、同じInternational Securityの学生でも、様々なコンセントレーションの組み合わせが可能になります。このコンセントレーションは、入学時に指定します。基本的には、テーマ別・地域別から1つずつ計2種類のコンセントレーションを選びますが、テーマ別コンセントレーションを2種類選ぶことも可能です(この場合、地域別コンセントレーションは選べません)。

  • Thematic Concentration(テーマ別)の紹介はこちら
  • Regional Concentration(地域別)の紹介はこちら

 

Languages

Sciences Poの学生は必ず外国語の授業を1つ受講しなければいけません。

また、フランス語が堪能でない学生は、フランス語の授業が必修とされています。外国語の授業についてはまた別のポストで詳しく書こうと思いますが、1学期間に初心者は週2コマ、中上級者は週1コマを受講します。

フランス語初級の授業でも、なぜか完全フランス語で授業が行われるので、Sciences Poに晴れて入学することになった人は、日本でほんの少しでもフランス語に触れておいたほうがいいかもしれません笑

 

授業に関する雑多な感想

海外の大学院というと、イメージとして、「少ない授業で深くみっちりと」という感じがあるかもしれませんが、ご覧の通りSciences Poの授業は1週間のコマ数が多く(平均8~9コマ)、指定の授業以外は受講できないシステムになっているので、自分の学びたい内容を必ずしも深く学べるとは限りません。

印象としては「広く浅くジェネラリスト志向」といった感じです。

なので、もし自分が学びたい分野がはっきりしていたり、興味を持った分野があったりしたら、自習で補う必要があります。

 

 コマ数が多いことは教授もわかっていて、各授業の負荷もアメリカなどに比べればそこまで重くないので(もちろん日本の学部に比べれば、ずいぶん重いです笑)、逆に言えば、学校の授業でいっぱいいっぱいになるという訳ではなく、授業を取りつつ、自分の興味のある文献を読む時間もあるというポジティブな見方もできるかもしれません笑

 

 

(ぺんぎん)

都市型キャンパスの良さ

こんにちは。ふたたび、ぷらんくとんです。 

前回「Sciences Poのパリキャンパス、設備が貧弱!」とご紹介しましたが、個人的には、それをふまえてもなお、Sciences Po、そしてパリを選んでよかったな、と思っています。そこで、今日は、都市型キャンパスだからこそのSciences Po良さを、3つのポイントにわけてご紹介したいと思います!

  

①理想論にとどまらない学びを得ることができる

学びの環境という観点で、大学・大学院のキャンパスは郊外型と都市型にわけられると思います。

 

前者は、広大な敷地の中にすべての設備が揃っていて、場合によってはキャンパス内で暮らしていけるような環境。この利点は、「勉強に専念できる」こと。逆に「外の社会との接点が希薄」ともいえます。

 

後者は、都市の中にキャンパスがあるパターン。土地に限りがあるので、十分なスペースがなかったり、寮がないため学生は家探しに四苦八苦、満員電車で通学なんてことも。ただ、利点は、郊外型キャンパスの逆で、「外の社会との接点が多い」ということです。

 

教室で学ぶことはどうしてもアカデミックだったり、理想論にかたよる傾向があります。 

例えば、典型的な都市型キャンパスであるSciences Poの場合。キャンパスを一歩でると、パリの街には、理想とは全く違う現実社会が広がっています。物乞いの人、シリアからの難民、地区ごとに全く違う住環境。

わたしの通学路には、数百メートルに1人ずつ物乞いの人or家族がいますが、彼ら、彼女らの脇をすり抜けながら通学をしていると、否が応でも学びと現実の違いを実感し、じゃあその上でどうしたらいいのか、とより深く考えざるを得ません。現実の社会が、理想論に走りがちな机上の学びに対するストッパーになっている、と強く感じます。

 

②都市にはすべてが集まる

都市には人やモノ、情報が流れ込んできます。

 

先日のフランス大統領選は、政治の中心としてのパリを最も感じた機会でした。 

マクロンの演説を聞きにいってそのコンサートかのような盛り上がりっぷりに度肝を抜かしたり、支持者たちが集まるカフェでディベートをきいて、フランス国民の生の反応を感じたり。逆に街角でマクロンのポスターに落書きがされ、ルペンやメランションのポスターが代わりに貼られているのを目撃したり。

 

もちろん政治に限らず、レストランや音楽や、いま一番勢いのあるものがすぐそこで体験できる、という環境はとても貴重です。

 

また、パリには世界中から食や芸術や哲学を学ぶ人たちも集まってきています。そういった「多種多様」な「挑戦する人」と出会える、ということも都市であるパリの魅力です。

 

③楽しいことがたくさん!!

勉強にも息抜きは必要なもの。そこは、パリ、なんでも揃っています。

 

普通に同級生と飲みに行く以外にも、例えばエッフェル塔を横目にセーヌ川沿いでピクニックをしたり、美術館巡りをしたり(なんとルーブル美術館などは26歳以下の学生は無料です)。わたしは、近所にある小さな映画館に古い映画を観に行っていました。

 

それもこれもパリ、そして都市だからこそ。都市は社会の縮図であり、大きな学びの場です。学校以外の街全体をキャンパスととらえると、貧弱な設備も許せるものです。

 

学校選びの際には、学問そのものにどっぷりつかりたいのか、生活全体での学びも重視するのか、という観点も検討してみることをおすすめします。

 

↓サンジェルマン大通り沿いのキャンパス

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(ぷらんくとん)

Sciences Poのキャンパス

こんにちは。ぷらんくとんです。

これまでの投稿からも薄々感じられると思うのですが、2017年現在、Sciences Po パリキャンパスの設備はとても貧弱です。

というのも、高級ブティックが立ち並ぶサンジェルマンデプレ地区(東京でいうと青山や代官山的な雰囲気でしょうか)にキャンパスが点在しており、いわゆるアメリカやイギリスの大学から想像されるような、大きな敷地に青々とした芝生、広い競技場に学生寮、のようなイメージとは無縁。。。

 

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 http://www.sciencespo.fr/welcome/sites/sciencespo.fr.welcome/files/plan_sciences_po.pdf

  

もともとは少数精鋭のエリート育成機関だったためそれで全く問題なかったのですが、近年の改革で、学生数も増え、キャンパスのキャパシティに対して、明らかに学生が多い。

 

学部生を地方のキャンパスに分散させても、パリキャンパスにはまだまだ人が溢れており、近隣の建物にどんどん拡張しつつも間に合わず、特にテスト期間中の自習スペース確保レースには熾烈なものがあります。

 

もちろん都市型キャンパスならではの良さはあるのですが(こちらは次回の投稿で触れたいと思います!)、今日は、わたしたちが日々どのような環境で勉強をしているかを紹介したいと思います。

 

1)メインキャンパス(地図上A)

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道が狭くて引きの写真を撮れないので、全体像が全くお伝えできていませんが、、、メインキャンパスの入り口です。パリ市内の建物らしく、奥行きはあるので、中に入ると中庭もあります。いわゆる講堂型の大教室もあり、Sciences Poの歴史を感じることができる建物です。

 

入口すぐのホール

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ミッテランもシラクもマクロンも、皆ここで勉強していたのだと思うと感慨深いのですが、ただ、歴史的な建造物だということでリノベーションができず(これはパリの多くの建物にも言えますが)、冷房設備がないため、夏場の大講堂での授業では、ゆでだこ状態です。(昨年の入学説明会では、あまりの暑さに途中退出者もちらほら)

 

こちらは道の端から撮った写真です。(道の狭さを感じて頂けるかと。。)右手奥がメインキャンパス、向かいには図書館があります。ちなみに、右手前はPaul Smithのブティックです。

 

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メインキャンパスの中には、教室(講堂・20人~50人収容の教室)の他に、食堂・中庭・図書館(分館)があります。

 

食堂はこんな感じ。小さいですね。

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左側に小さな売店があり、サンドイッチやクロワッサン、コーヒーが購入できます。CROUS(Centre Régional des Œuvres Universitaires et Scolaires)という、いわゆる生協的な学生支援団体によって運営されており、キャンパス内の売店のほかに、パリ市内には、パリの学生ならば誰でも入れる(というよりむしろ誰でも入れる)CROUS運営の食堂が点在しているので、そちらに行くこともあります。

 

わたしは、近くのパリ第5大学の地下にあるCROUS食堂か、歩いて10分程のところにある別のCROUS食堂(下写真)に行ったりしています。これらの食堂はポイント形式(€3.25=約400円=6ポイント)で、前菜(1~2ポイント)、メイン(3ポイント)、ヨーグルトやフルーツ(1ポイント)から自由に選ぶことができ、パンは食べ放題なので、とてもリーズナブルです。味は微妙ですけれども(フランスって美食の都だと思っていたのに、おかしいなって初めは思いました、もう慣れましたが)、お腹はふくれます。

 

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中庭です。みんな太陽が大好きなので、雨の日以外はみんなここに座ってお喋りしたり、お昼寝したり、勉強したりしています。学校のHPではだいぶ広く映っていますが(そして下の写真も人がいないので広く映っていますが)、大きい中庭を想像していると少しがっかりします。

 

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2)図書館 

メインの図書館は4階建て、メインキャンパス内の図書館は6階建てです。とても狭いので、ほとんどの本は書庫に入っており、オンラインで請求をして数時間後に受け取る、ということがほとんどです。また、上でも説明した通り、自習スペースが少ないので、休み時間には、席を探してウロウロしている学生に出会うことができます。その結果、多くの学生は、週の3,4日間に授業をまとめ、他の日は学校に来ず、自宅やカフェなので勉強をしていることが多いです。

(ただ、既に夏休みの今、わたしはがらがらの図書館でこの記事を書いています)

 

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メインの図書館の入口です。奥の落書きがしてあるシャッターがエントランス。(祝日に写真を撮ったので、シャッターがしまっています)手前は本屋さんです。(英語でLibraryは図書館なので、こんがらがりそうですが、フランス語ではLibraireは本屋さん、図書館はBibliothèqueです。)

 

3)その他の建物たち

PSIA(Paris School of International Affairs) のメインキャンパス(地図上H)。向かいはパリ第5大学。

 

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キャリアセンターや小教室のある建物(地図上J)

ここにはマルセルくんという猫が住んでいて、時々一緒に授業を受講しています。ちなみにこちらの真向いはサンローランのオートクチュールの拠点です。

 

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博士課程のメインキャンパス(地図上D)

サンジェルマン大通り沿いにもキャンパスがあります。博士課程のメインキャンパスですが、それ以外の語学の授業も行われています。

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School of Journalism のメインキャンパス(地図上D)

こちらもサンジェルマン大通り沿い。近年取得したばかりの建物ですが、もともとは出版業界組合の建物で、あのオペラ座の設計で有名なシャルル・ガルニエの設計だそう。しゃちさんはこの建物で授業を受けているとのこと、うらやましい。

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と、ここまでつらつらとSciences Poのキャンパスの小ささを前提に紹介してきたのですが、実は、2022年を目標に新しいキャンパスを計画中。これまた近隣の建物をゲットしたのが、ちょうど昨年。完成すれば、14,000㎡の新しいキャンパス、中には500㎡のカフェテリアもできるそうで、Sciences Poの学生ライフは格段に改善するはずです。

 

残念ながら今在学中のわたしたちはその恩恵に預かることはできないのですが、これから出願を考えている方は、このことも念頭に、学校選びをしてもらえたらいいかな、と思います。

 

リンク先にある動画では、新しいキャンパスのイメージ図もみることができるので、参考まで記載しておきます。

http://www.sciencespo.fr/campus2022/un-campus-pour-se-reinventer/

 

(ぷらんくとん)

 

 

Sciences Poへの志望動機書の準備の手順

海外の大学院の入学プロセスの中で、日本の大学院と大きく違うのは志望動機書を書くということではないでしょうか。

日本人にはなかなか経験のないプロセスだと思いますので、今回は実際にSciences Poに通っている我々が志望動機書を準備した手順を紹介したいと思います。

 

※志望動機書の代筆や添削を行ってくれるコンサルタントを使う人もいます。アメリカに出願するには必須と言われていますが、フランスへの出願で使う人は少ないので、今回はコンサルタントなしの手順を紹介します。

 

スケジュールを確認する

何はともあれ、まずはスケジュールを確認しましょう。

 

Sciences Poで合格しやすいと言われている1月の審査会に合わせて仕上げるスケジュールは、

8月 :概要を考える、ひとまず書いてみる

9月〜11月:何度も書き直す

12月 :ネイティブチェックを受ける

1月上旬:提出

という具合でしょうか。

 

最初はイメージがつかないかもしれませんが、9月〜12月の推敲にはかなり時間がかかりますので、特に社会人で仕事をしながらだと、短くても3ヶ月は取っておいた方がいいです。

 

逆に、8月までは、フランス語・英語の点数のスコアメイキングに集中しましょう。

語学力がないと合格できませんし、逆に語学力があれば志望動機書を書くのも楽になります。

 

なお、一般的に、海外の大学は早く出願するほど有利であると言われています。したがって、Sciences Poについても早く出願することをおすすめします。実際、大学における審査は常時行われているわけではなく、私たちが出願した年には1月、2月、6月に行われていたとの情報もあります。

そのため、3月ごろ出願しても結果を受け取るのはかなり遅くなることになり、精神衛生上も良くないし、渡航準備等との関係からもあまり好ましくないでしょう。

 

質問内容、その他の制限を確認する

次に、何を聞かれるのかを確認しましょう。

 

大学、又は年度によって、「志望動機書を提出せよ」と何も指定がない場合から、質問が細かく分かれ、それぞれに文字数制限がある場合など、様々なケースがあります。また、提出方法も印刷して郵送する方法からwebフォームに入力する方法まで様々です。



ちなみに、2016年の英語での入学に必要だった志望動機書の質問文は次のようなものでした。

The motivation letter is an opportunity for you to freely express yourself and to provide any information you consider relevant. You should introduce yourself, provide your reasons for applying to your specific programmes, explain how and why Sciences Po's programmes will help you realize your personal and professional goals, and tell us how you intend to contribute to campus life. Be as specific as you can and do not exceed 1000 words.

 

ポイントを要約すると以下のようになります。

○関係あると考えられる情報は書き込んで良い

○自己紹介、申し込む予定のプログラムを選んだ理由、Sciences Poのプログラムはあなたの個人的・職業上の目標達成にどう役立つのか、大学にどう貢献しようと考えているか

○可能な限り具体的に記載する

○1000ワードを超えてはいけない

※Sciences Poはここ数年、webフォームに入力して提出します

 

これだけで目が回りそうですね(笑)

でも質問内容としては基本的な内容ばかりですし、ここで用意したものは併願先の大学にも使いまわすことができるものばかりですので、気合いを入れて取り掛かりましょう!

 

概要を考える

いきなり文章を書き始めるのは無理なので、まずは日本語で大体の流れと主張したいポイントを整理しましょう。

この時、市販の参考書や語学学校のマニュアルなどで情報収集したり、経験者の文章を参考にしたりすると、自分に合った流れも見つかると思います。

 

また、同時並行で大学の教授や職場の上司に推薦文をお願いすると思いますが、その推薦文に書いてもらう内容との重複はなるべくないように気をつけましょう。

※ただし、あえて両方に盛り込むことで大学側に印象付けることもできるので、上手く使い分けられると吉です。

参考までに、いぐあなは下記のような流れにしました。

 

○将来の究極の夢:欧米の「結論から入る」ためのイントロとして 

○今の職場を選んだ理由となる学生時代の経験:質問文にもある自己紹介を兼ねて

○社会人経験を通じて見えた課題:社会の課題、職場の課題、自分の課題など

○短期的な目標:Sciences Poを修了後数年〜10年程度で実現したいこと、そのためにSciences Poで学ぶことが役立つこと

○長期的な目標:人生を通じて実現したいこと、そのためにSciences Poで学ぶことが役立つこと

○結論:私はとてもモチベーションが高く、目標もはっきりしており、社会人経験を授業で共有して互いに学びを深めることができる、ウンヌン

 

ひとまず書いてみる

何はともあれ、一通り書いてみましょう。

書いているうちに色んな課題が浮かんでくると思いますが、全て脇にメモとして残しながら、まずは全て書き上げることをオススメします。

 

いぐあなの場合は、ある週末に一気に書き上げました。

何度も書き直す

さて、ここからが本番です!

 

書いているうちに、そもそも話の流れを変えたい、具体的なエピソードがないなど、色んな課題が浮かんできたと思うので、一つ一つ対応していきましょう。

 

市販の参考書などを参考に、一つのパラグラフの長さ、単語選びまで含めて何度も何度も書き直します。

かなり根気のいる作業なので、気が滅入らないように息抜きをしつつ仕上げましょう。

 

ネイティブチェックを受ける

自分でも納得がいく内容になったら、ネイティブチェックを受けましょう。

頼む相手にもよりますが、話の流れなどの大局的な視点から、コンマ(,)の打ち方など細かな点まで、徹底的にチェックしてもらえる人に頼めるといいですね。

 

いぐあなの場合は、通っていた英会話スクールの英作文添削サービスを使いました。



だいぶ長くなってしまいましたが、いかがだったでしょうか?

 

Sciences Poの志望動機書は特にひねりのないストレートなものですし時間も十分ありますので、さほど気負わずにコツコツ取り組むことができるかと思います。

ちなみに、留学コンサルタント(や似たようなサービス)を使うと、上に書いたプロセスの一部や全部を手伝ってもらえます。

興味がある方は自分で調べて見てくださいね!

 

 

これがSciences Poの時間割の仕組みです!

こんにちは!

いぐあなです。

大学院で「何を学ぶのか?」についてはみなさんよく考えて調べると思いますが、「どう学ぶのか?」について考えたことはありますか?

 

この「学び方」の中でも、Sciences Poの時間割の仕組みは、日本のものと比べて結構違います。

この違いが、もしかしたらSciences Poでの大学生活を良くも悪くも大きく変えてしまうかもしれません。

 

授業の登録方法からその時に考えるべきことや失敗談など、今回も、Sciences Poに応募する前に知りたかった情報をまとめてみました!

 

1つの学期の流れ

Sciences Poは2学期制で、1つの学期はだいたい16週間です。

12週分の通常授業、1週間の秋休み(or春休み)、1週間の補講期間(スキップされた授業を補うもの)、2週間の期末試験期間です。

 

中間試験がある場合は、12週の通常授業の中で行われます。

 

一年間の流れの概要(Sciences Poのサイトへ。2016年〜2018年)

http://formation.sciences-po.fr/contenu/calendriers-scolarit%C3%A9

 

英語バージョンとビジュアルに分かりやすいバージョン(同上)

http://formation.sciences-po.fr/en/contenu/university-calendar

http://formation.sciences-po.fr/sites/default/files/calendrier_universitaire_en.pdf

 

なお、この16週間の他に、学部やコースによって前後の数週間の独自カリキュラムがくっつくことも結構あるので、詳しくは各学部のサイトを見てくださいね。

 

時間割の枠

次に時間割の枠についてお話ししようと思います。

日本の大学と比べて一番大きな違いは、昼休みがないことです。

 

・・・ん?どういうこと?

 

Sciences Poの時間割は朝の8:00に始まり、2時間の授業時間と15分の休憩時間が繰り返され、夜21:15まで続きます。

 

つまりこういうこと↓

1限目 8:00〜10:00

2限目 10:15〜12:15

3限目 12:30〜14:30

4限目 14:45〜16:45

5限目 17:00〜19:00

6限目 19:15〜21:15

 

確かに昼休みがない・・・

代わりに、15分でご飯をほお張るか、空きコマの時間でご飯を食べることになります。

(中には授業中に食べる学生もいますが、先生たちも事情が分かっているので何も言いません・・・)

 

あと、授業は月曜日から土曜日まで行われることになっていますが、土曜日は基本的には休みです。

 

イレギュラーな授業の例

Sciences Poには、Sciences Poで授業を持っているけど専任ではなく別に本職があるという先生がかなりいます。

(一部の先生は他国からパリに通っている先生も案外多いです。)

その関係で、授業時間にもこんな影響が出ることがあります。

 

 

  • 平日の講義が休講になり、土曜に補講(Sciences Poは何が何でも12コマ授業をします)
  • 2コマ4時間ぶっ続けや金曜6限目+土曜1限目など、週2回に2コマある授業。隔週で開かれたり、6週間で終わったりします。
  • 1つの授業を2人の先生で半分に割り、一方が正規の金曜日、もう一方が火曜日に講義

 

 

コマ数

週に何コマ授業を取る必要があるのかは学部やコースによって違うので一概には言えませんが、一般的には8コマか9コマ取ることになっているようです。

Sciences Poはジェネラリストを育成する大学なので、他の大学に比べて浅く広くたくさん授業を取らせます。

 

ちなみに、この8コマ〜9コマは卒業に必要な授業数ですが、Sciences Poでは正規の授業以外に、次のような授業を追加できます。

 

 

 

授業の登録方法

シラバスの確認

入学したら知らされるカリキュラム一覧のページから、必要単位とそのシラバスを確認します。

例:公共政策大学院のマネジメントコースのカリキュラム

http://www.sciencespo.fr/public/en/maquette/mpp-management-public-affairs-semester-1

この時点で、各授業の曜日と時間、内容を確認して、自分の時間割を作ります。

 

webシステムでの登録

学期開始のだいたい1ヶ月前のある決まった日時から、web上で授業の登録が始まります。(例:1月9日09:00〜)

個人ページにログインしてリストから授業を選び登録していくのですが、人気のある授業は5分で埋まることもあるので、まさに時間との勝負です。

 

時間は全部で3時間ありますが、順調に行けば10分で全ての授業を登録し終わります。

ただし、特別な事情がない限り今後授業の変更はできないので、確定させる前に十分にチェックしましょう。

 

時間割の完成

同じ個人ページで時間割を確認できます。

 

ちなみにいぐあなの2017年春学期(2セメスター目)はこんな時間割でした。

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※学生からも改善の声の上がる登録方法なので、今後変更されるかもしれません。

 

失敗談①:ご飯の時間がない!

2限目と3限目の両方に授業を入れてしまうと、10:15から14:30までご飯を食べられないことになってしまいます。

実際、14:30に授業が終わるとお腹をすかせた同級生によく出合います。

 

失敗談②:月曜日が地獄!

チリ人のある友人は月曜日に6コ、フルで授業を取ってました。

「だって他の日が楽になるからね♫」

・・・でも実際は、朝から晩まで外国語で頭をフル回転させることになるので、彼と同じ授業だった月曜日4限目では、いつも疲れ切った彼を見ていました。

 

失敗談③:シラバスと内容違うじゃん!

アメリカの大学では授業期間の1週目や2週目まで授業を受けてから授業を登録できるようですが、Sciences Poではシラバスだけを見て授業を決めないといけません。

中には、シラバスに書いてないことを1回目の授業で告げられて「イメージと違った」と落胆することも・・・



いかがでしたでしょうか?

 

授業のコマ数などは応募の際には見落としがちですが、時間割の仕組みは学びの内容や深さを判断するめにも意外と重要なので、ぜひ抑えていただきたいと思います。



パリの治安について、留学生として日々感じていること

こんにちは!

いぐあな&しゃちです。

 

フランスに留学していることを日本にいる知り合いに話すと、一番多い反応は「頑張って」や「楽しんで」ではなく「気をつけて」のような気がします。 

確かに「テロ」と呼ばれる事件がここ数年続いていて、日本にいる人から見るとパリは危ない場所と映っているのかもしれませんね。

 

実際、日本人観光客の減り方は、他国より大きいようです。

パリの観光客が激減 日本人観光客は46%減

https://www.wwdjapan.com/322664

(もっとも、現在は相当程度回復しているそうです)

 

では、実際のところパリは危険なのでしょうか?パリはどういう状況にあるのか、パリに住んでいる我々は何を感じているのか、少しお話ししようと思います。

 

生活の中で出会う警備

大学の入り口(学生証のチェック)

Sciences Poの学生が警備の厳重化を一番に感じるのは、授業のために大学の建物に入る時です。

入り口には警備員が1人〜3人立っていて、入ろうとする人の身分証(学生証など)を確認しています。

 

毎日通っているとたまに顔パスで通してくれるようになります(笑)

でも逆にイベントで外部の人が公演に来る時には、学生証だけじゃなく荷物の中身まで確認されます。

ショッピングモール(荷物チェック)

ほとんどのショピングモールに入る時にも警備員がだいたい立ってます。

IDは確認されませんが、一人一人の荷物の中身を確認されるので、入り口にはだいたいいつも列ができています。

 

リュックサックは中身を詳しくチェックしようとしますが、ハンドバッグくらいの大きさの荷物はさっと目を通しただけで終わります。

おそらくですが、ある程度大きさが必要になる爆弾を持っていないかを確認しているんだと思います。

 

街中(警察や軍の警備) 

街中、特に人混みの多いところには、いつも警察か兵隊が警備しています。

銃を持った数人組が、あたりを見渡しながらゆっくり歩いていて、初めて見るとビックリします。

 

その他 

鉄道に乗る際には、自分の荷物に必ず名札をつけるようアナウンスされています。良く知らずに自分の荷物を放置していると不審物扱いされ、大変な騒ぎになることがあるので要注意です。

 

人混みを避ければ、個人的な危険を感じることはない 

パリで見る警備の様子を書いておいてなんなのですが、個人的には治安の心配はあまりしていないというのが現状です。

先日シャンゼリゼで警官が撃たれて亡くなるという痛ましい事件が起きました。日本でどう報道されていたかは詳しくはわかりませんが、パリの人々は翌日何事もなかったかのように日常生活を送っていました。

テロに対する一番の抗議は、日常生活を決して変えないことだと考えているようです。

なので、皆カフェのテラスで食事することは決して止めません。

 

もちろん、球技大会や集会・デモなどの人の集まるところは避けるようにしていますが、それさえ気をつければ、個人的に身の危険を感じることはありません。

フランス人が日常生活を送っている中、過度に恐れて行動を制限していてはせっかくの留学も台無しですよね。

 

大学院を選ぶ時にはキャンパスビジット(出願前に行きたい大学に行って、在学生や職員から話を聞くこと)をしたい人も多いと思いますが、少なくとも治安を理由にフランスに来ることを避けるほどではないというのがこちらに住んでいる多くの留学生の感覚なのではないかと思っています。

もちろん、テロに限らず、自分の身は自分で守ることが鉄則ですから、リスクの多いところにあえて行かない、というのは一つの選択肢としてありうると思います。

 

でも、日本での報道だけを根拠に判断してしまうのは、せっかくの機会を逃してしまいとても残念なことではないでしょうか。

詳細が気になる方はぜひ現地の人に様子を聞いてみましょう!