パリ大学院生活 at SciencesPo

フランス・パリ政治学院(通称SciencesPo)に在籍する大学院生のブログです!

なぜSciences Po?②(交換留学生・就労経験なし・きりんの場合)

 

こんにちは。PSIA International Securityに在籍中のきりんです。
私は他のメンバーの皆さんとは違い、日本の大学院から1年間の交換留学生としてSciences Poで勉強させてもらっています。

 


交換留学生ですが、授業は正規生と全く同じものを履修して、全く同じような生活をしています。
違うところといえば、コンセントレーション(注:PSIAの履修システムで自分の専門を2つ選ぶもの。詳しくはこちらを参照)・必修科目・単位数などの縛りがないところ。
好きな授業を好きなだけ取ることができるため、比較的自由です。

 

学部の交換留学とは異なるところもかなりあるので、私の投稿が少しでもSciences Po修士課程への交換留学・正規留学を考えている皆さんの参考になれば幸いです。

 

1)なぜ直接海外大学院にアプライせず、国内大学院から留学することにしたのか

「なぜSciences Po?」の前置きとして、この理由について触れておきたいと思います。
大学院受験時は官庁・シンクタンクへの就職を考えていたので、国内に根っこを残しておきたいという思いがありました。
というのは前向きな表立った理由ですが、匿名なのをいいことに後ろ向きな理由をあえて記すと、「海外大学院生活が自分にできる自信なんてない!」と思っていました。

 

学部時代に北米に留学していた頃に仲が良かった現地の大学院生たちは、それはもうものすごい過酷な生活をしていまして。学部生のTAやRAとして授業の準備に追われつつ、寝る間を惜しんでひたすら論文を書くような生活。今考えれば、彼らは5年制のドクターだったのでマスターの生活とはまた違うのですが、「私こんな環境でやっていけるのかな。。いややっていけない」と、お気楽な大学生だった私は思ってしまいました。

 

それでも「将来国際的な仕事に就きたい」という思いと「自分の専門性を伸ばして職業に生かしたい」という思いはあったので、「英語で授業が取れる日本の大学院に進学してまた留学しよう」と決意して、国内で大学院に進学しました。

 

しかしながら、いざ進学してみると国内大学院の生活も結構過酷だったのと(何ならSciences Poの授業よりヒイヒイ言っていた気がします)、修士1年の時に「やっぱり国際機関に行きたい」という気持ちが固まったことで、今となっては「初めからSciences Poに来ておけばよかったかも!」と思っています。笑
また、交換留学生は自由ですが、授業を頑張るも頑張らないも自分次第で縛りがなさすぎるので、時折根無し草のように思えて寂しく思うこともあります。。(勿論、頑張っています!)

 

ただ、勉強に対する真摯な姿勢が身についたのと、国内修士学生という身分のおかげで国際機関でのインターンや国際会議への出席、アフリカ留学や奨学金取得など、得難い経験をすることができたので、国内大学院を経たことも結果的には良かったのかな、と思っています。


2)なぜSciences Poにしたか

前置きが長くなりましたが、私がSciences Po PSIAに留学を決めた理由は「紛争研究・アフリカ地域研究の授業が多数開講されている」「フランス語を学ぶことができる」の2つです。

 

この2つは「(実務家として)政治制度構築や法整備支援などを通じ、アフリカ地域の平和構築と紛争予防に携わる」という私の将来の目標を実現しようとするときに、役立つのではないかと思っています。

 

紛争学(Conflict resolution, peacekeeping, conflict preventionなどを総称してこう呼ぶことにします)を学ぼうと考えたときには、植民地支配の名残からか、イギリス・フランスの大学院が上位の候補として上がってきます。正直、どちらの国に留学するべきかに関してはかなり迷いました。
その中で、私にとってSciences Poが決め手になった理由は「フランス語」です。
学部時代に英語圏に留学していたことから、今度は違う言葉の国に行きたいと思ったのが30%、アフリカの国際機関で働こうと思った時に、フランス語が少しでもできると職の幅がかなり広がることを知った、という理由が70%です。


本来、Sciences Po PSIAはコンセントレーションの縛りがあるので、紛争研究からもアフリカ地域研究からも各セメスター1つずつしか取れないのですが、交換留学生という立場を利用して、紛争・アフリカ関係の授業ばかりを9個履修しています。

 

Sciences Poは国際機関・国際NGO職員で紛争地で長年経験を積んだ実務家の先生が多く授業を開講しています。というのは話には聞いていたけど、実際に来てみると、本当に実務家の先生による、実際のケースに基づいた実用的な授業が多いです。これは、Sciences Po(というかPSIA)に来て良かったなあと思う理由の一番大きなものとなっています。

 

また、クラスの学生構成もとても多様です。アフリカ地域研究の授業では、多数のアフリカ諸国からの留学生と出会えます(今まで会ったアフリカの学生:コートジボワール・ケニア・ナイジェリア・ガーナ・モーリシャス・スーダン・南スーダン・南アフリカ・ボツワナなど。。)。
彼らは国から奨学金を貰って来ていたり、中央政府から留学に来ていたり、家がひたすらお金持ちだったり、難民だったりと、バックグラウンドも多様で、話していて価値観を揺さぶられることも多く本当に面白いです。

 

 

ただ、フランス語については、授業が全て英語・友達も留学生がほとんどということで、結果的にはそんなに上達していない気がします。せめてレジュメに書けるレベルになれるよう、残りの留学生活で頑張ります。。。!

 


それではまた。

 

(きりん)

 

なぜSciences Po?①

こんにちは!

いぐあなです。

 

私は今Sciences Poに留学しているわけですが、なぜSciences Poに留学することにしたのか、について紹介したいと思います。

 

日本でも「留学」という選択肢がどんどん広まっていて、留学したい気持ちは先にあるけど、どこの国が良いのか分からない、という人も多いのではないかと思います。

 

留学先を決める時に考えたことは、そのまま、留学中のモチベーションに繋がりますので、この記事を参考にしつつ、しっかりと考えてもらえれば嬉しいです!



私の場合は、留学先の国に求める条件を考えました。

 

【国の条件① アメリカ、イギリス以外の国】

私のいた業界では海外留学に行く人がある程度いるのですが、多くの人がアメリカかイギリスを選んでいました。

せっかく海外に行くのであれば、他の人と違う経験をして特殊な人材になりたいと考えたので、アメリカとイギリス以外の国に行くことを考えました。

 

さらに、アメリカとイギリスはどちらもアングロサクソン系の国でもあるので、オーストラリアやカナダなどもなるべく避け、違う価値観に浸ろうと決めました。



【国の条件② 英語以外が公用語】

せっかく海外に行くのであれば英語以外の言語も勉強したいと考えました。

 

日本に帰ってから仕事で使うことを考えると、海外でよく話されている言語か、アジアで使われる言語が良いと思い、候補としてフランス語、スペイン語、中国語などがあると考えました。



【国の条件③ 大学以外の経験を積める都市】

大学で勉強することはもちろん、大学以外で学ぶことも留学の醍醐味だと考えました。

その意味では、田舎よりも都市の方が様々な経験ができます。

 

都市では文化を始めその国の最新のトレンドに触れられますし、特にヨーロッパの大都市であれば国際機関やその関連イベントが開かれます。

むしろ大学でも、国際機関や企業で働いている人が授業をしたりしており、より実践的な内容を学べます。



上記の条件①〜③から、パリが一番の候補に挙がりました。

 

パリは、もちろん英米以外ですし【①】、フランス語が公用語で【②】、OECDやUNESCOがある大都市【③】だからです。



また、同時に、大学を選ぶ条件も同じように考えました。

 

【大学の条件A 公共政策】

MBA、技術経営や経済学など魅力のある分野はたくさんありますが、私の場合は、今後働きたい業界を考えて公共政策を勉強できる大学に行きたいと考えました。



【大学の条件B 英語100%で修了】

留学経験のなかった私は、まずは英語を身に付けたいと思い、英語で修了できる大学院を探しました。

(英語以外の言語は第二外国語として勉強するつもり。)



【大学の条件C 教授や同級生とのネットワーク】

国籍が多様で、先生からだけでなくクラスメートからも様々なことを学べることも重要な条件でした。

一部の大学ではその国の学生が多いことが多いので、外国人の割合の高い大学を探しました。

 

また、修了生の就職先などが多様で、修了後にも教授陣や同級生と国際的なネットワークを持ちたいと思っています。



この大学の条件からは、フランスだと、Sciences Po、パリ経済学校、トゥールーズ経済学校などの公共政策のコースが候補に挙がりました。

 

最終的には、

- グランゼコールであること

- 海外の大学院とも積極的に提携していること

- 選考が一番早く一番最初に合格が出たこと

などから、Sciences Poに進学することにしました。



いかがでしたでしょうか?

 

留学に求める条件は色々あると思いますが、この記事がその条件を考える参考になれば嬉しいです。

メンバー紹介!

みなさん、こんにちは。

前のポストからだいぶ日が空いてしまいました…!

現在のパリはというと、2月に入り少しずつ寒くなくなってきています。このまま春になってくれるといいんだけどなあ…

 

そして、このブログに早速新メンバーが加わってくれることになりました!様々なバックグラウンドからパリ政治学院に進学した5人でこれからこのブログをお届けしていきます。

 

ということで今回は、これからこのブログを書いていく5人の自己紹介をしたいと思います!各記事には、ここでご紹介するニックネームを載せておくので、どんな人が書いているのかも是非参考に記事を読んでみてください!

 

いぐあな

日本では理系で大学院まで進み、社会人を4年ほど経験しました。

仕事では、大学で勉強した以外のことを使うことが多かったので、次第に社会人として使いそうな事を体系的に勉強したいと思うようになり、今に至ります。

今は、英語の公共政策大学院でマネジメント、経済学、公共政策を中心に勉強しています。渡仏時点ではフランス語がほぼ初心者だったので、初心者レベルの授業で奮闘です!

 

しゃち

日本では法学部を卒業し、社会人を5年ほど経験しました。

シアンスポではフランス語で授業が行われるコースに在籍し、フランスやヨーロッパの都市政策を中心に勉強しています。フランスと日本では当然置かれている状況は異なるのですが、共通している課題も多く、フランスのことを勉強することで日本の課題が見えてくることもあります。

2年間を通じて物事を分析する力をより身に着けて帰国したいと考えています。

 

ぷらんくとん

新卒で5年半働いた会社を退職し、2年間の修士課程に在籍中です。

PSIAのInternational Securityで「ヨーロッパにおける個人と政治のあり方」をテーマに学んでいます。

アジアの某都市で育ち、大学時代の専攻は日本政治と中国政治、日系企業の文化にどっぷりつかって働いていたので、これまでとは異なった視点を学びたいと思い(日本・アジアではなく)フランスの大学院を選びました。

卒業後は、もう少し公的な分野にキャリアチェンジしたいなあ、と目論んでいます。

 

きりん

きりんです。学部時代はアフリカ地域政治と国際政治をやっていました。

卒業後は国内大学院で公共政策を学び、現在は大学院の協定留学でパリ政治学院に在籍しています!授業は英語です。。

 PSIA International Securityにてサブサハラアフリカの紛争予防、紛争解決と平和構築について勉強しています。ケニアとザンビアに計3ヶ月いました。

将来は国際機関職員としてアフリカに戻れたらいいなあと思っています。。

 

ぺんぎん

学部時代は法学部で、国内法とほんの少しの国際法を勉強していました。

学部を卒業した後、半年間のバイト生活を経て、パリの大学院にやってきました。学部時代にスイスにフランス語留学しましたが、授業をとるにはまだまだ…という感じです。

 PSIAのInternational Securityに所属して、国際人権法や難民関連、東アジア関連の授業などをとっています。また、課外活動としてSciencesPo Refugee Helpという難民支援サークルに所属しています。

将来は、アジアで難民の保護・第三国定住支援などに携わりたいと考えています!

 

これからこの5人で、パリでの生活やパリ政治学院の情報をお伝えしていきます。

どうぞよろしくお願いします!

パリ政治学院という学校

今回は、私が通うパリ政治学院をご紹介します。

インターネットで「パリ政治学院」と調べても、あまり日本語での情報量は多くないですよね。出てくるのは、日本の大学の留学生体験記やWikipediaくらい。自分も、大学院調べをしていたときにとても困りました。なので、ここではどんな学校なのか、ご紹介します!

パリ政治学院は、パリのど真ん中に位置する社会科学系のグランゼコール(Grandes Écoles)の一つです。たくさんのフランス官僚や政治家、国際機関職員などを輩出していて、一昔前までは少数精鋭のエリート校だったそうです。その他いろいろについては、Wikipediaへ。正式名称は、Institut d'Études Politiques de Parisというらしいですが、学生ですらこの正式名称を知っている人は少ないでしょう。みんな普通はSciencesPo(しあんすぽ)と呼んでいます。

ここではWikipediaに載っていないことを書きましょう。まずは場所の話。

パリ政治学院は、フランス・パリのど真ん中にあります。サンジェルマン大通り沿いにあり、周りは高級ブティックやおしゃれなカフェが立ち並ぶ、まさに「パリ」といった感じの地区にあります。

そんな高級な地区にあるので、普通「大学」と言って思い浮かべるような広いお庭やキャンパスはありません。この地区にあるいくつかの建物に教室が散らばっていて、授業ごとに建物を行ったり来たりします。

メインの建物の入り口はこんな感じ。

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ビルですね。授業が始まると、この入り口の前が学生たちでごった返します。

次はここで学ぶ学生たちの話。

パリはもともと様々な人種・国籍の人たちが住んでいる都市ですが、パリ政治学院の建物に一歩入ると様々な言語が飛び交っています。正規学生、留学生、教授ともに、文字通り世界各国から来ていて、アジアからは中国、韓国、台湾、インドなどの学生を多く見かけます。日本からは、正規生よりも留学生の方が多く、東京大学や京都大学、一橋大学、慶応大学などからの留学生がいます。

パリ政治学院の修士課程にいるフランス人の多くは、学部生からそのまま進学する人が多く、当然ながらみんなとても優秀です。しかも、SciencesPoの学部生(3年間)は、3年目に必ず国外での留学・インターンをしなければならないので、第二外国語を流暢に操るフランス人もたくさんいます。ヨーロッパ人の多くにいえることですが、彼らは複数の言語を操るのは当たり前。お父さんがフランス人、お母さんがドイツ人、高校でロシア語を勉強して、中国に留学してたから、英語・フランス語・ドイツ語・ロシア語・中国語が話せます、なんて人もそんなに珍しくはありません。恐るべし、そして羨ましヨーロッパ人。

そんな優秀な学生たちと、パリのど真ん中の高級地区で勉強するのは、刺激的でおしゃれで楽しいこともたくさん、不便でいらいらして困ることもたくさんです。それは、これから少しずつ見ていくことにしましょう。

 

(ぺんぎん)

祝・初投稿!ブログを始めようと思ったわけ

こんにちは。

記念すべき初投稿です。

 

このブログは、パリ政治学院(通称SciencesPo)に通う大学院生が、パリでの生活するために便利な情報や、SciencesPoについての情報などを徒然なるままに書き連ねようというものです。ひとまず、書く予定の項目はこんな感じ。でもあくまで予定です、予定。

  • 外国の大学院進学の調べ方
  • 海外大学院の出願について
  • フランスに進学・留学するには
  • パリ政治学院ってどんな学校?

フランス在住の日本人なんて山ほどいるし、外国の大学院に進学・留学している日本人学生もたくさんいるけれど、SciencesPoについての日本語で書かれた情報があまりないなと思ったのが、このブログを始めたきっかけです。

これからSciencesPoに留学したいなと考えている人や、フランスに住むための手続きがよくわからないなと思っている人たちの助けになれば嬉しいなあと思っています。

今のところ、このブログは一人で書くつもりでいますが、そのうち新たなメンバーを招待するかもしれません。お楽しみに。

 

(ぺんぎん)