パリ大学院生活 at SciencesPo

フランス・パリ政治学院(通称SciencesPo)に在籍する大学院生のブログです!

Sciences Poの卒業式

こんにちは!2017年の7月に卒業したらっこです(今回初投稿)!

PSIAのHuman Rights and Humanitarian Actionのマスターに在籍していました。もう半年以上の前のことになりますが、今回はSciences Poの卒業式について触れたいと思います。

 

Sciences Poの卒業式は毎年6月末、または7月の頭に行われます。私は、せっかく海外の大学に正規入学したからには絶対に卒業式に参加してみたいと思っていました。そのため、授業自体は5月の中旬に終わっていましたが、その後も卒業式に参加するためパリに残りました。

 

実はフランスでは、私たち日本人が想像するような卒業式を行う大学はほとんどありません。Sciences Poでも学部では卒業式というのもありませんし、他のフランスの大学院ではGrand Oral(口頭試験)を終えてパスできればその場で修士号をもらえて終わりのところもあります。終わりは結構あっさりしていると思います。

 

だから、下記の写真のように大きいホールを貸し切って盛大に卒業式を行うのはフランスでは非常に珍しい。エリート学校であるSciences Poならではのイベントなのかもしれません。

 

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 [当日の卒業式の様子 ©️らっこ]

 

当日は、パーティー用のお食事からシャンパンまで全てが用意されていました。PSIAの学生は色々な国からきており、卒業式ではその家族も多く出席するので、卒業式は国際的なパーティーのようです。

 

私は、日本から母に参加してもらいました。当日は一緒に写真を撮ったり、私の友達と会ったり、華やかな雰囲気を満喫してもらいました。はるばる日本から来てくれた母には本当に大感謝です!

 

さて、本題に入りますが、Sciences Poの卒業式では、一人ずつ名前が呼ばれてステージで赤色のSCIENCES PO 2017と書かれたスカーフを首にかけてもらいます。summa cum laudeまたはcum laudeだった人は名前のあとにそれもつけてよんでもらえます。正直、8教科近く履修していて全部パスするのも大変なのにsumma cum laudeの人がちらほらいて、感服するばかりでした。

 

スカーフをかけてくれるのは、Sciences PoのプレジデントのMonsieur Frédéric Mionともう一人のサブ的な偉い人のこの2名です。←名前思い出せない笑

みんなMionと握手してスカーフをかけてもらいたいと思っていますが、こればっかりはどちらにあたるかはその時に並んでいる順番次第なので、運に任せるしかありません。(ちなみに私はMionにあたりました!ラッキー!)

 

一人一人に割かれる時間はほんの数秒ですが、2年間頑張って勉強した人には結構大事な瞬間です。私の番の時は、母がばっちりビデオ撮影してくれて、当日は来られなかった友人もパソコンでスクリーンショットを撮ってくれました。因みに、当日の卒業式の様子はリアルタイムでweb配信しているのでパソコンでみられます。フランスではアメリカみたいにガウンをきて帽子をなげることはしないので、Sciences Poの卒業式のハイライトは、やはり自分の名前が呼ばれてステージに出るときだと思います。

 

卒業式には色々な理由で参加しないまたはできない学生もいますが、個人的には2年間の大学院生活にけじめをつけることができ、友達に会える最後の機会になると思うので、日程的に可能な人は参加するのがオススメです。

  

去年の卒業式のYouTube動画はこちら

 

デュアルディグリープログラムとは

はじめまして。新メンバーの「こあら」です。簡単に自己紹介させていただきますと、学部時代は日本で経営学を勉強していました。大学卒業後は、会計業界で4年間ほど働き、キャリアチェンジを目論んで、パリ政治学院に進学することを決めました。現在、パリ政治学院ではPSIAのInternational Developmentに所属しています。私はアメリカ・ニューヨークのコロンビア大学とのデュアルディグリープログラム(二重学位プログラム)に所属しているので、1年目はパリ政治学院で、2年目はコロンビア大学で過ごす予定です。

 

デュアルディグリープログラムとは

デュアルディグリープログラムとは、1年間をパリ政治学院で、残りの期間をその他の大学院で過ごすことにより、それぞれの大学から独立した学位を授与されるシステムです。(私の場合は、国際開発修士と国際関係修士です)。デュアルディグリープログラムの提携校は様々で、一例ですが以下のような大学と二重学位プログラムを行っています。提携校の全リストはこちらで確認できます。

 

(例)

北京大学(中国)

東京大学(日本)

ロンドン政治経済大学(英国)

サンクトガレン大学(スイス)

コロンビア大学(米国)

シンガポール大学(シンガポール)

トロント大学(カナダ)

HECパリ(フランス)

 

デュアルディグリープログラムの実態

受験談

多くの二重学位プログラムでは、パリ政治学院の応募と同時に二重学位プログラムに応募することとなります*。具体的には、応募段階で第一希望を二重学位プログラム、第二希望でパリ政治学院の通常のプログラムに応募することで、仮に二重学位プログラムに不合格となってしまった場合でも、パリ政治学院2年間のプログラムは別途選考されることになります。この場合、志望理由書はそれぞれ別々に提出する必要があります。両方合格すると、どちらにするのかというのを入学前までに決断し、事務局に連絡する必要があります。

*イタリアのボッコーニ大学など、一部のプログラムではパリ政治学院に入学した後に応募できるものもあるようです

 

人数規模

私が所属しているコロンビア大学との二重学位プログラムは、本年度は10人弱でした。(事務局の人から非公式にちらっと聞いた話では、毎年同じような人数で推移しているとのこと。) プログラムメイトは、アジア、北米、ヨーロッパからと様々な地域からの学生で構成されています。先日、二重学位プログラムの学生用のレセプションに参加してきたのですが、LSEとキングスカレッジの人数(各20人位)が多めに感じました。逆にジョージタウン大学や東京大学との二重学位プログラムの学生は、あまり見かけませんでした。

 

メリット・デメリット

一番のメリットは二つの大学院に所属することで、より多くの経験が詰めることだと思います。ヨーロッパとアメリカ大陸の両方で学ぶことで、様々な考え方を身に着けることができると考えています。また、プログラムの人数が比較的少なく、同じ授業を受けることが多いので、プログラムメイトと仲良くなれます。私の場合は、悩みを相談したり、息抜きに一杯飲んだりと、程よい関係を作ることができました。

 

一方で、一年という期間は短いので、パリに慣れてきたと思ったら、「もう移動!?」という感じになってしまいます。私の場合は、パリに来てからフランス語を始めたので、全然しゃべれないままアメリカに行くことになってしまいそうです。また、私の所属するデュアルディグリーは、卒業要件が厳しく、卒業までに取らなければいけない科目が細かく決まっています。したがって、自由にとれる授業が限られてしまうという欠点があります。基本的には科目免除ができないため、私の友人は学部時代に経済学を専攻したにもかかわらず、ミクロ経済学入門をとらされていました。。。

 

ではでは

ぺんぎんのインターン生活(国際機関の場合)

みなさん、こんにちは。ぺんぎんです。

ここ最近のパリは大変寒く、ちょうど今も雪が降っています。2週間ほど前はずいぶん暖かく「ああもう冬も終わって春が来た!」なんてことを考えていたのですが、どうやらまだもう少し冬は続きそうです。ここで雪のパリの写真を1枚。

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はい、ということで、今回のポストでは、ぺんぎんが2017年秋学期に行ったインターンシップについて書きたいと思います。

PSIAの学生は3学期の間、授業に出席する代わりにインターンシップ、修士論文執筆または海外留学の3つの選択肢から1つ選びます。詳しくはPSIAウェブサイトをご覧ください。

 

わたくしぺんぎんの場合、Sciences Poに入った理由の一つが、学期中にインターンシップができるという点だったので、迷うことなくインターンシップを選びました。夏休み中や休学して行うことももちろんできますが、時間や出費を考えると、修士過程の中でインターンシップを行う期間が与えられているのは、個人的にはとても魅力的でした。

ターゲットは最初から国際機関でのインターンシップ。将来の目標として、やはり国際機関で働きたいと考えているので、一度内部に入って国際機関の仕事を実際に体験してみたいと思ったからです。

 

インターンシップ捜索開始

Sciences Poの場合、インターンシップの募集はたくさん回ってきますが、特定の団体や機関とのインターン派遣提携のようなものはないので、通常通り自分で探して自分で応募しなくてはいけません。「Sciences Poに入れば、簡単にインターンシップが見つかるんだろうな!」などど甘いことを考えていた自分としては、だいぶがっかりでした。

 ということで、2学期目の2月ごろからぼちぼちインターネットで検索し始めました。

 

もともと難民や無国籍者に興味があるので、UNHCRやIOMのアジア事務所を念頭に探し始めました。UNHCRなどはホームページに公式のインターン応募フォームを設置していますが、ものすごい数の人がこのフォームを通して応募しており、聞くところによればこの公式フォームは滅多にチェックされないようなので、この公式応募フォームを通しての応募はあまりお勧めしません。

 

代わりに、FacebookやLinkedIn、その他ウェブサイトを使って、自分の興味がある分野の募集または概要を探して、担当者に直接履歴書と志望動機書を送りつけました。公式な募集が出されていない場合でも、担当者に直接メールを送ると返信が返ってくることもあります(ちなみに、募集がない状態で応募することをCold Applicationというみたいです)。

 

自分の場合、20通ほどのメールを送って、実際帰ってきたのは2,3通といったところ。国際機関のインターンシップはやっぱり募集人数が多いだけあって、返信率もとても低いです。めげずに頑張りましょう…。

 

インターンシップ発見!

何個か返信が返ってきた中でも、金銭的に難しかったり、時期的に合わなかったり。結局最終的に、パリにある某国際機関に拾ってもらいました。当初の予定だった難民・無国籍者と直接の関係はないのですが、自分の趣味に合致した内容のインターンシップだったのでここに決めました。

 

同じ部署で働いているインターンの話によると、インターンの選抜方式は本当に多種多様で、ほぼスーパーバイザーの裁量で決められます。直接面接と筆記試験を課されたという人もいれば、電話でインターンシップの内容を確認しただけで終わったという人もいます。

 

そんなこんなで、初めて国際機関に足を踏み入れることになりました。

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巨大な組織で渦巻く国際政治

このポストでは、インターンシップの内容を深く掘り下げて説明するつもりはないですが、自分のインターンシップはあまりアカデミックではなかったかもしれません。他の国際機関やシンクタンク、NGOでインターンシップをした人たちは、様々なリサーチを基にレポートを書いたり、研究の助手をしたりしている人が多いような印象を受けます。一方、自分のインターンシップは、様々なテーマに関する文章作成(会議資料やプロジェクトの企画書など)からイベントの企画、事務作業(招待状の作成等)など、多岐にわたりました。

 

半年間の国際機関でのインターンシップの中でやはり一番印象に残ったことは、国際機関はintergovernmentalであるという点です。加盟国代表団が集まる国際会議だけでなく、有識者を招待して開催する小規模な会議や機関内部での人員配置、予算の使い道やプロジェクトの進行など、すべてが国際政治の舞台だと感じました。

 

一見政治と関係ないように見える事柄も、国際機関で扱われる以上すべて政治に関わってきます。一つの例をあげましょう。

原住民言語についての国際会議に出席していたときのこと、ある国の代表団の一人が突然「私たちの国には原住民言語というものは存在しません」と断言し始めました。実際この国には、公用語とは異なる様々な少数言語が存在しているので、自分自身この発言を聞いたときに理解できませんでした。後にわかったことですが、「原住民言語」という単語を使ってしまうことによって、間接的に「その土地は、本来国のものではなく、そこに住む原住民族または原住民言語を話す人々に属するものだ」ということを示唆し、少数民族の独立意識を高めてしまうのだそうです。だからこそ、客観的に見れば明らかに異なる言語であっても、「原住民言語」という単語を使うことを頑なに拒否する国がいくつかあります。このように、一見「言語」という文化に関する議論の中にも、国家主権や領土問題といった国際政治が絡んでくるのです。

 

また、どんなに重要な国であっても、その国際機関に属していない国は活動に一切参加できません。そこで働く職員たちも、機関の方針に忠実に従わなければならないため、加盟国でない国との接触は、厳しく制限されます。もちろん加盟国以外の国の人は通常インターンシップをすることさえできません。

 

巨大な組織の中のさまざまな矛盾

このように、国際機関で起こる全ての決断や決定は国際政治を基に決められます。だからこそ、国際機関には様々な矛盾が見られます。

簡単な例を挙げれば、自由なインターネット環境について話し合う国際会議が中国で行われたり、女性の権利向上を話し合う国際会議がサウジアラビアで開催されます。なぜならこれらの国はお金と力があるからです。

国際機関で働くからには、自分個人の考え方とだいぶ違う納得の行かない決定でも、国際政治に則って決められた決定を受け入れなくてはならないことがたくさんあるのかもしれません。

 

国際機関は共通して、inclusiveness(包括性)やsustainable development(持続可能な開発)、human rights(人権)、equality(平等)などを推進しようと活動しています。もちろん、多くの職員がこの信念を胸に、各々の仕事を一生懸命に遂行しています。

ですが、小さなところに目をやると、加盟国以外の出身の学生はインターンとしてさえ受け入れられなかったり、ほぼ全てのインターンシップは無給で金銭的に余裕のある人だけがインターンシップを行えるシステムだったり、大量のコピー紙を毎日無駄にしたり、誰もいない会議室の電気がつけっぱなしだったり、こんな現状を見ると様々な矛盾と疑問が頭に浮かびます。

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国際機関は、一般企業のように利益の向上を目指している訳でも、国際NGOのように競争が激しい訳でもありません。そんな環境も、このような矛盾を生み出す一つの要因なのだろうなと感じます。

 

巨大な組織で働く、楽しいそしてすごい人たち

そんな国際機関の中では、多くの人たちが働いています。パリにある国際機関なので、事務職はフランス人がほとんどですが、専門職になれば国籍配分があるので、多種多様な言語、文化、バックグラウンドの人たちがいます。そして、すごい経歴の持ち主ばかりです。正規職員のほとんどが博士号を持ち、母語と英語以外に2,3言語操る人がたくさんいます。インターンも含め、みんなとても頭の回転が速く、自分の考えをしっかり持っています。それと同時に、とても気さくで、オンオフの切り替えがはっきりしている人たちばかりです。

 世界中からやってきたすごい人たちが、日々過程は違えど同じ目標に向かって活動しています。

 

まとめ

この半年間の国際機関でのインターンシップで、国際機関で働きたいという気持ちがより強くなったと同時に、国際機関の嫌な点も垣間見えました。

また、国際機関がいかに文字通り「国際的」な職場であるかを実感し、そして、個人的にやっぱりこんな国際的な空間で働くことが好きだということも再認識しました。

 

また、スーパーバイザーや同じ職場で働いた職員、インターン、日本代表部の方や日本人職員の人たちなど、国際機関で働くまたは国際機関を目指す多くの人と接し、話をする機会を得られました。

 

正直、このインターンシップをすることに決めたときは、第一希望ではない機関だったので、少し不本意だったのですが、この半年間で得たこれらすべてをひっくるめて、今はこの機関での職務を経験できて、とてもよかったと思っています。

 

長々と書いてきましたが、自分と同じく国際機関を目指す人に、インターンシップの雰囲気を伝えられたらとても嬉しいです。

 

ではまた。


(ぺんぎん)

セミナー授業の雰囲気

こんにちは!いぐあなです。

 

今回は、読者の方からご希望いただいた「授業の雰囲気」についてお伝えします。

Sciences Poの授業は大きく大講義とセミナー(lectureとseminar)に分けられるのですが、今回はセミナー形式の授業についてご紹介します。

 

概要

形式

一つの授業の人数は15人〜25人程度。

学部によって差はありますが、公共政策の場合、週に9コマある授業のうち5,6コマ程度を占めるため、避けては通れません(学科の必修が2,3コマ+選択科目が2,3コマ)。

PSIAの場合は1〜3コマ程度と少なめ、Econe Urbaineの場合は3コマ程度です。

 

Sciences Poの先生が教えることもありますが、学外の実務者や他大学の先生が教えることが多いようです。特にDiplomacyなどのコンセントレーションだと職業外交官や現役官僚などの実務者が教壇に立つことが多く、この場合、実務経験に基づいたより現実的な知識を学べるという利点と、先生自身が現役で働いているため授業時間が朝8時や夜19時の授業で、突然の休講が多い(つまり、学期末に補講が増える)という欠点があります。

評価方法

先生によって違いますが、10〜20%が出席、残りの80〜90%がプレゼンテーション、レポート、ディスカッション、試験のうち2つ以上の組み合わせで決まります。(プレゼン2回などもありえます。)

雰囲気

人数が少ないため、なんと言っても先生との距離が近いです。

そのため先生が学生に質問をすることも多いですし、学生が先生の説明を遮って質問を投げたり持論を展開することがあります。

プレゼンやディスカッションでは学生同士が質疑や議論が加熱しますが、クラス全体がその議論から学べるように先生が上手く誘導しながら進んでいきます。

授業の例

ここでは、いぐあなが2017年秋学期に受講したLaw and New Technologyという授業を紹介したいと思います。

内容

サイバー犯罪に関するEUやフランスの法律について、その内容や考え方、実際の適用例を勉強しながら、新しい技術と法律の関係、今後の展望を学ぶというものです。

先生

フランス人の判事と弁護士の計2名の持ち回りでした。

それぞれが担当した実際の判例を交えてリアルなジレンマを学生と一緒に考えます。

(ドメスティックな市場のはずなのに授業を受け持てるほど英語が堪能なんてすごい!!)

雰囲気

先生が情熱的で優しい人たちだったためとてもアットホームな雰囲気でした。

一方で、テクノロジーに興味のある学生が多かったこともあり、先生も知らない事例を学生が紹介したり法律の問題点など鋭い質問が飛ぶなど、集中してないとついていけなくなるスピードで進みました。

授業の流れ

各授業は、授業のプレスレビューから始まります。

毎回学生2人ずつ、IT関連の世界のニュースを10分にまとめて口頭で紹介します。

課題に追われ世の中の流れに疎くなるのを防ぐことが第一目的ですが、授業で習った内容を授業では取り上げないトピックに結びつけるいい機会でした。

続いて先生から各授業のテーマの概論の講義が始まります。

現実に考えられる犯罪、それが実際の法律でどのように定義され取り締まられているのか、学生への質問を交えて説明が進みます。

説明の途中で、事前にテーマを与えられていた学生がプレゼン10分と質疑を行います。

多くの場合はテーマに沿った訴訟の実例の紹介と考察です。

時間は10分ですが、Sciences Poの学生は話したがりばかりなので平気で20分喋ったりします。

 

この授業ではプレゼンは1人で行うプレゼンが2つ続く形でした(授業によっては2人〜5人のグループで1つのプレゼンを行うこともあり、その場合はプレゼンの時間が15分〜20分程度になります)。

プレゼンのあとは先生が補足の説明をし、2時間の授業が終わります。

 

このほか、ある授業のコマでは模擬裁判が行われたほか、全員に期末レポートが課されました。

まとめ

以上です!いかがだったでしょうか?

 

今回は全体的なセミナー形式の授業について概要をお伝えしました。

とはいえ、先生によっても学部によっても、受講する学生によっても雰囲気や内容は大きく変わりますので、希望の学部や授業のことは経験者に聞くことをおすすめします!

 

また、大講義の雰囲気についての記事もありますので、そちらもぜひご覧くださいね!

パリでの住居の探し方

こんにちは!しゃちです。

 

留学を始めるに当たって重要かつ面倒なことの一つとして、家をどうやって探すかということが挙げられるでしょう。

 

いくつかの方法があります。

  1. 不動産屋に頼む
  2. Sciences Poの仲介サイトを利用する
  3. 学生寮を利用する
  4. 日本人コミュニティを利用する



まず、大きく分けて、日本にいる間に決定する人と、現地に来てから決定する人がいると思います(日本にいる間に一度家を決めるために渡仏する人もいるようですが、そこまでの手間をかけられる人はレアだと思いますのでここでは除外します)。パリはとても家賃が高いことで有名です。一概には言えませんが、同じ間取りであれば東京より高いと思ってもらっていいと思います。また、物件数に限りがあることから、一つの物件にかなりの人数が競合していることも普通です。したがって、いかに物件数が多い時期に素早く決めてしまうかが鍵ではないかと思います。

しゃちは、日本にいるときにネットで不動産屋と連絡をとり、物件を決めました。インターネットに載っている写真や基本情報のみによる判断ですので、当然リスクは伴いますが、Googlemapで周辺の様子を確認するなどして、できる限りの情報を集めました。私の物件は一月前に申し出れば解約がいつでもできること、住所が決まっていないとその後の様々な手続き(特に銀行口座の開設)で不便なことが多いこと等から、6月末に契約をしてしまいました(幸いとても良い物件だったので満足しています)。

 

1.不動産屋に頼む

利用に当たってはいくつかのポイントを押さえておく必要があるでしょう。

・物件は毎年5月末~6月上旬が最も多いので、その時期に決めれば選択肢も多い。

・その時期にフランスにいればベストだが、いない場合にはネット上の写真やエリアの情報だけで判断。

・日本語で対応可能な業者を使う方が言葉の問題がなくていいが、仲介手数料が高いことがあるので要注意。(ぷらんくとんは、個人で仲介業をしている日本人と一悶着あったそうなので、どういう業者か事前にリサーチすることをオススメします。)

・7月、8月は大家がバカンスでいないため、そもそも内覧や契約ができないこと多い。

 

2.Sciences Poの仲介サイトを利用する

Sciences Poが自分で運営する学生寮はありません。しかし、学校側で物件情報を集めて提供しているサイトがあり、そこで大家の情報をもらって個別にやりとり、契約する方法があります。物件数はそこまで多くありませんが、毎年Sciences Poの学生に貸している大家が多いことから、ある程度の信頼関係が出来上がっているというメリットはあるようです。

 

3.学生寮を利用

世界各国が建てた約40の寮が14区の南の一つの敷地に密集してるパリ国際大学都市(Cité Universitaire Paris)。Sciences Poに限らず、パリ市内やパリ周辺の大学に通う大学生、院生、研究者などが一堂に暮らしています。

日本人は日本が運営する「日本館」を通じて応募することになるのですが、応募の手順など必要な情報は下記のサイトに書いてありますのでご覧ください。

http://maisondujapon.org/

 

なお、各館の設備や清潔さ、雰囲気は千差万別なので、可能であれば居住経験者に一度話を聞くことをオススメします。

 

こちらは別途Cité Universitaireに住む方法をまとめていますのでそちらをご参照ください!

 

4.日本人コミュニティを利用する

パリには、たくさんの日本人が住んでいるので、日本人つながりで家を探すこともできます。

例えば、ジモモパリやMixBのような日本人サイトでは、日々様々な賃貸情報が流れていますので、片っ端から電話をかけてみましょう。日本人が大家さんの利点としては、なんといっても緊急事態に連絡しやすい点です。

応募前に知りたかった!Sciences Po公共政策大学院で感じること

 こんにちは、いぐあなです。

 

2018年に入りパリは冬真っ只中です。

留学生がうつ病になりがちな西ヨーロッパだそうですが、パリも例に漏れず、日が短く薄暗い日々が続きます。。。

それでいて洗濯物が半日で乾くほど乾燥しているので喉を痛めないようにご注意を!

 

さて、大学院を選ぶ時、webサイトを見ても違いがよくわからなかったりしますよね。

まして公共政策大学院なんてどこにでもあるし!

公式サイトなんてみんな同じようなこと書いてるし!

 

ということで、SciencesPoに来て1年半が経った今、公共政策大学院について思っていることの概要をまとめてみました!

 

今後SciencesPoの情報を探す中でも気をつけるべきことも書いているので、大学院選びの最初の手がかりとして活用してみてください。

 

公共政策大学院から見たSciencesPo全体の話

SciencesPo改革

まず大事なのが、SciencesPoが今改革を進めている最中で、特に2016年から大きく変わったということです。

構想としては中央集権化で、各学部や研究センターが作っていた細かな組織や学科を大学全体の視点から統合・再編しているという状況です。

2016年度後半には、最高意思決定機関も改組したそうです(授業で先生が話してました)。

 

この中でコースや授業の再編が行われたため、

- コースや学ぶ内容について卒業生など過去の経験が使えなくなっている

- 大学側も内容を詰め切れておらず良くも悪くも柔軟に対応してくれる

という状況にあります。

 

SciencesPoの勉強の負荷

米国の大学も同じかと思いますが、授業の負荷は大きく、クラスメートたちは悲鳴を上げています。

私は割と残業の多い職場を経験したせいか仕事よりは断然楽に感じますが、それでも、学期の終わる前の約2ヶ月は土日も朝から晩まで勉強に使わないと間に合わないくらいの課題が出ます。

 

SciencesPoで得られるもの

ふと振り返ってみると学んでいる内容自体は日本の学部レベルの内容なので、与えられた授業に「一生懸命に取り組む」だけだと、業務や将来に直接役立つことはあまり学べないという印象です。

とはいえ、授業中の発言やレポートでは授業に貢献する(ただ模範解答を答えるのではなく、クラスメートや先生に新しい情報や考え方を提供する)ことが評価されるので、どうしたらそういった付加価値を提供できるのかを考え始めると、最終的に自分の学びとして返ってくるという印象です。

 

言葉としては月並みですが、自分の頭で考えればいくらでも得るものがあるのが大学の勉強です。

また、SciencesPoは政界とのコネも強く、公式/非公式のシンポジウムが毎日のように開催されています。

 

真面目なサークル活動、研究プロジェクトが学生を募集していたり、各種研究所が学生にもオープンになっている(らしい)ので、何かやりたいことや学びたいことがあればいくらでも使い倒せます。

 

SciencesPo公共政策

SciencesPo公共政策の特徴(英語コースを選択した場合)

SciencesPoの特徴は大学のサイトを含めweb上に情報がありますが、前情報と違っていて我々に大きく関わってくるのは大きく下記の3点があります。

 

内容が理論的

Scpoはしきりに「実践的である」と宣伝していますが、あくまで欧州の中で相対的に実践的であるというだけなので、特にアメリカ・カナダへの留学経験のあるクラスメートは授業が「理論に偏っている」とよく言ってます。

授業については私もそう思います。

 

ただし上にも書いたように色んなイベントが開かれているので、全体で見ると実践に繋ぎ得るという印象です。

(大半が仏語なので、英語で留学している私には参加できるものは限られていますが・・・)

 

クラスメートに社会人経験者が少数

Sciences Poについて調べていると「同級生は職務経験が豊富」という情報をOBから聞いたりweb上で得られると思います。

しかし、社会人経験者は基本的に1年コースのMPA(Master in Public Affairs)に集められており、Dual Degreeコースや私が入るMPP(Master in Public Policy)にはあまりいません。MPAの学生も授業にはいますが、実践的な内容をクラスメートから学ぶことは少ないと考えていいと思います。

 

フランス人(将来のエリート組)と留学生の分離

分離というと大げさですが、当然ながら大方のフランス人はフランス語の授業、留学生は英語の授業を取るので、英語しかできない私にとってフランス人と交流する機会は結構少ないです。

つまり、SciencesPoはエリート養成大学なのでフランス人は優秀なのでしょうが、その将来のエリート組と近づく機会はかなり限られています。(私もフランス語の授業を取るためにも必死にフランス語を勉強中です。)

 

以上です!


Sciences Poを進学先として考え情報を集め始めた人にとっては、公式には出ていない印象などを補っていただくことができるのではないかと思います。

 

ただでさえ海外で生の情報を得づらいと思いますので、卒業生や在学生から直接印象を聴く機会を作ってもらえればありがたいです!