セミナー授業の雰囲気
こんにちは!いぐあなです。
今回は、読者の方からご希望いただいた「授業の雰囲気」についてお伝えします。
Sciences Poの授業は大きく大講義とセミナー(lectureとseminar)に分けられるのですが、今回はセミナー形式の授業についてご紹介します。
概要
形式
一つの授業の人数は15人〜25人程度。
学部によって差はありますが、公共政策の場合、週に9コマある授業のうち5,6コマ程度を占めるため、避けては通れません(学科の必修が2,3コマ+選択科目が2,3コマ)。
PSIAの場合は1〜3コマ程度と少なめ、Econe Urbaineの場合は3コマ程度です。
Sciences Poの先生が教えることもありますが、学外の実務者や他大学の先生が教えることが多いようです。特にDiplomacyなどのコンセントレーションだと職業外交官や現役官僚などの実務者が教壇に立つことが多く、この場合、実務経験に基づいたより現実的な知識を学べるという利点と、先生自身が現役で働いているため授業時間が朝8時や夜19時の授業で、突然の休講が多い(つまり、学期末に補講が増える)という欠点があります。
評価方法
先生によって違いますが、10〜20%が出席、残りの80〜90%がプレゼンテーション、レポート、ディスカッション、試験のうち2つ以上の組み合わせで決まります。(プレゼン2回などもありえます。)
雰囲気
人数が少ないため、なんと言っても先生との距離が近いです。
そのため先生が学生に質問をすることも多いですし、学生が先生の説明を遮って質問を投げたり持論を展開することがあります。
プレゼンやディスカッションでは学生同士が質疑や議論が加熱しますが、クラス全体がその議論から学べるように先生が上手く誘導しながら進んでいきます。
授業の例
ここでは、いぐあなが2017年秋学期に受講したLaw and New Technologyという授業を紹介したいと思います。
内容
サイバー犯罪に関するEUやフランスの法律について、その内容や考え方、実際の適用例を勉強しながら、新しい技術と法律の関係、今後の展望を学ぶというものです。
先生
フランス人の判事と弁護士の計2名の持ち回りでした。
それぞれが担当した実際の判例を交えてリアルなジレンマを学生と一緒に考えます。
(ドメスティックな市場のはずなのに授業を受け持てるほど英語が堪能なんてすごい!!)
雰囲気
先生が情熱的で優しい人たちだったためとてもアットホームな雰囲気でした。
一方で、テクノロジーに興味のある学生が多かったこともあり、先生も知らない事例を学生が紹介したり法律の問題点など鋭い質問が飛ぶなど、集中してないとついていけなくなるスピードで進みました。
授業の流れ
各授業は、授業のプレスレビューから始まります。
毎回学生2人ずつ、IT関連の世界のニュースを10分にまとめて口頭で紹介します。
課題に追われ世の中の流れに疎くなるのを防ぐことが第一目的ですが、授業で習った内容を授業では取り上げないトピックに結びつけるいい機会でした。
続いて先生から各授業のテーマの概論の講義が始まります。
現実に考えられる犯罪、それが実際の法律でどのように定義され取り締まられているのか、学生への質問を交えて説明が進みます。
説明の途中で、事前にテーマを与えられていた学生がプレゼン10分と質疑を行います。
多くの場合はテーマに沿った訴訟の実例の紹介と考察です。
時間は10分ですが、Sciences Poの学生は話したがりばかりなので平気で20分喋ったりします。
この授業ではプレゼンは1人で行うプレゼンが2つ続く形でした(授業によっては2人〜5人のグループで1つのプレゼンを行うこともあり、その場合はプレゼンの時間が15分〜20分程度になります)。
プレゼンのあとは先生が補足の説明をし、2時間の授業が終わります。
このほか、ある授業のコマでは模擬裁判が行われたほか、全員に期末レポートが課されました。
まとめ
以上です!いかがだったでしょうか?
今回は全体的なセミナー形式の授業について概要をお伝えしました。
とはいえ、先生によっても学部によっても、受講する学生によっても雰囲気や内容は大きく変わりますので、希望の学部や授業のことは経験者に聞くことをおすすめします!
また、大講義の雰囲気についての記事もありますので、そちらもぜひご覧くださいね!