パリ大学院生活 at SciencesPo

フランス・パリ政治学院(通称SciencesPo)に在籍する大学院生のブログです!

なぜSciences Po?(かもの場合)

こんにちは。

パリ政治学院のアルムナイとして投稿依頼をされたかもです。

私は2016年にパリ政治学院の修士課程を修了後、現職では、Junior Professsional Officer(JPO)として国連機関で気候変動関連の業務に従事しています。

バックグラウンドとしては、国内の文系学部卒、パリ政治学院のMaster in International Public Managementを修了しました。現職の前は、主に気候変動/エネルギー・インフラといった分野の調査研究・コンサルティングに合計3年間従事していました。

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私がフランスでの修士課程に興味を持ったのは、学部時代に社会学・哲学の本を読み漁っていて、ヨーロッパの思想史への関心が特に高かったことが挙げられます。その後のキャリア形成を考えて、大学院での専門分野は人文科学ではなく国際関係・公共政策にしました。学部時代からフランスやドイツ思想に関心が多かったため、特にドイツやフランスなどのヨーロッパ大陸側の大学院に行くことに学部時代から興味を持っていました。Sciences Poには以前から興味を持っていたこともあり、入学にいたりました。

 

また、給付の奨学金+貯金を原資とした留学でしたので、学費を抑えるといった意味でもヨーロッパ大陸の大学院が魅力的であったこと、フランスのグランゼコールの高等教育システムに学部時代から関心を持っていたこと等もパリ政治学院に決めた要因です。

 

OBとして感じるSciences Poの強みは、Sciences Poではフランス国外の通常の大学院に比べて数多くの授業を取らざるを得ず、知識を多く詰め込むことができる点だと思います。私は、実務に活かすことを見据えた勉強では、知識のカバレッジをできる限り広めつつ自分の分野に関しては更に深い知見を身につけることが重要であると考えているため、Sciences Poで勉強してよかったなと感じています。逆に言うと、限られた範囲のみを深く追究されたい方には、Sciences Poは不向きであると思います。

 

また、現在勤める国連機関の中にはSciences Poのアルムナイが数多くいるため、修了後に国際的なキャリアを積んでいくことを望まれる方にはSciences Poは望ましいかと感じます。

 

また、英語で授業を取りつつフランス語を並行して勉強するには最適の環境です。マルチ言語を習得したいといった方には向いていると思います。私も在学中から勉強を始め、卒業後も勉強を続けており、業務遂行レベルまで引き上げることを目指しています。

 

非英語圏の仏語圏に位置し、また授業数が通常の大学院よりは倍近く多い、と言った点は、Sciences Poの長所でもあり短所でもあると思います。私は長所の部分を最大限に活かすことができました。私の周囲を見ていても、それが全ての人には当てはまっていないと感じています。大学院選びは長期的なキャリア形成に影響を及ぼすと思いますので、大学院留学を考えられている方は、目先の情報に惑わされず自分の思う教育スタイルやキャリア観を踏まえた上で選択することが重要であると思います。

(かも)