パリ大学院生活 at SciencesPo

フランス・パリ政治学院(通称SciencesPo)に在籍する大学院生のブログです!

Sciences Poの修士論文②(執筆中の過ごし方、プレゼン)

こんにちは!いぐあなです。

 

前回に引き続きSciences Poでの修論についてです。

前回は執筆に向けた準備について書きましたが、今回は執筆中の様子や最終プレゼンについて書いていきます。(内容は専門的なので端折っています)

 

学期中の様子

ひたすら書くだけの学期

1月末から始まる四学期目ですが、論文執筆者にとっては明確な開始日がありません。

授業が全くなく、ただひたすらに論文に打ち込むだけの学期だからです。大学との交渉に成功すれば語学の授業を受けたり、論文に関係のある授業を取ったり、同時にインターンを行うこともできるそうですが、大学側はかなり消極的だそうです。

私は授業を一つも取らずインターンもしなかったので、冬休みと学期の区別がつかず、エンジンをかけるのが大変でした(笑)

 

指導教官との面談

Sciences Poからは、月に一度以上指導教官との面談をするよう求められています。Sciences Poの学生は時間にルーズな人が多いので、進捗管理をするための大学側の配慮なのでしょう。

私の場合はそのルールそのものは気にせず必要なだけ面談を設定した結果、結局三週間に一度のペースで面談をしていました。

なお、この面談のペースは先生によります。忙しかったり、学生に冷たかったりする先生を選んでしまった友人は、面談が結局一度きりだったと話していました。大学側は良い顔はしませんが、面談をしなかったからといって成績には影響しません。

 

事務局へのレポート

面談と同様、月に一度のレポートを大学の事務局に提出することになっています。内容は、今月何をやったか、教授との面談は何回行ったか、次の月の予定は、など。

ちなみに、私は一回も提出しませんでした(笑)最後まで催促も来ませんでしたし。意外とスムーズに進んでいましたし、事務局が成績をつけるわけではないので、何の問題もありませんでした。

 

いつどこで書いても良い

四月中旬に論文を提出しさえすれば良いので、時間のマネジメントは完全に学生に委ねられています。それに、作業はどこで行っても構いません。極端なことを言えば、日本に帰って書いても良いわけです。

私はまず、午前中を語学(英語とフランス語)の勉強に当て、午後〜夜を論文の時間にしました。また、大学の図書館が空いている土曜に論文を書き、代わりに平日を休みにするなど、臨機応変に時間管理をしていました。私の友人も、平日の午前中は毎日フランス語の語学学校に通っていました。

 

Grand Oralの代わりのDefense

Sciences Po名物のGrand Oralですが、修論を選んだ学生のプレゼンはGrand Oralとは呼ばずDefenseと呼ばれます。

時間構成は、プレゼンが15分、ディスカッションが20分、今後のキャリアに関する質疑が5分です。面接官は、自分が最初に選んだ指導教官と、その内容に詳しい教授の合計二人です。当日は論文のみ使用が許されていて、メモ・スライドも持込・使用禁止です(質疑のためのノートとペンは使用可能でした)。

 

私のケースでは、プレゼンはほぼ時間どおりでしたが、質疑が延び、全体で50分を越えました。Grand Oralと違い面接官たちは私以外に面接をしないため、時間制限に特に気を使わなくて良かったようです。面接官は、私の分析手法が専門的すぎたためか適任の教授が他に見当たらず、公共政策関係のドクトルの学生がもう一人の面接官でした。

雰囲気としては和やかで、二人とも笑顔で頷きながら話を聞いてくれました。プレッシャーもなく、楽しく時間を過ごすことができたと思っています。

 

論文執筆全体を通しての感想

先の記事に書いた目標は達成できたので、論文を選んで良かったと感じています。同様に論文執筆の機会を活用できそうな人にとっては、良い選択肢なのではないでしょうか。

 

ただし、とにかく自己管理が大変です。

固定の予定がなく、曜日感覚がなくなるほど、全ての時間管理が自分の手に委ねられます。怠けても誰も何も言いません。選んだテーマに対する相当なモチベーションと、そのモチベーションを保つ自己管理ができなければ、辛い学期になっていたと思います。

 

あと、かなり寂しいです(苦笑)

クラスメートたちは大半がインターンでフランスにおらず、他学部の友人は授業が忙しいので、寂しがり屋な人には耐え難い環境かもしれません。私は一人の時間がそれなりに欲しい人間なのですが、それでも寂しさを紛らわすのは大変でした。

 

(いぐあな)