パリ大学院生活 at SciencesPo

フランス・パリ政治学院(通称SciencesPo)に在籍する大学院生のブログです!

応募前に知りたかった!Sciences Po公共政策大学院で感じること

 こんにちは、いぐあなです。

 

2018年に入りパリは冬真っ只中です。

留学生がうつ病になりがちな西ヨーロッパだそうですが、パリも例に漏れず、日が短く薄暗い日々が続きます。。。

それでいて洗濯物が半日で乾くほど乾燥しているので喉を痛めないようにご注意を!

 

さて、大学院を選ぶ時、webサイトを見ても違いがよくわからなかったりしますよね。

まして公共政策大学院なんてどこにでもあるし!

公式サイトなんてみんな同じようなこと書いてるし!

 

ということで、SciencesPoに来て1年半が経った今、公共政策大学院について思っていることの概要をまとめてみました!

 

今後SciencesPoの情報を探す中でも気をつけるべきことも書いているので、大学院選びの最初の手がかりとして活用してみてください。

 

公共政策大学院から見たSciencesPo全体の話

SciencesPo改革

まず大事なのが、SciencesPoが今改革を進めている最中で、特に2016年から大きく変わったということです。

構想としては中央集権化で、各学部や研究センターが作っていた細かな組織や学科を大学全体の視点から統合・再編しているという状況です。

2016年度後半には、最高意思決定機関も改組したそうです(授業で先生が話してました)。

 

この中でコースや授業の再編が行われたため、

- コースや学ぶ内容について卒業生など過去の経験が使えなくなっている

- 大学側も内容を詰め切れておらず良くも悪くも柔軟に対応してくれる

という状況にあります。

 

SciencesPoの勉強の負荷

米国の大学も同じかと思いますが、授業の負荷は大きく、クラスメートたちは悲鳴を上げています。

私は割と残業の多い職場を経験したせいか仕事よりは断然楽に感じますが、それでも、学期の終わる前の約2ヶ月は土日も朝から晩まで勉強に使わないと間に合わないくらいの課題が出ます。

 

SciencesPoで得られるもの

ふと振り返ってみると学んでいる内容自体は日本の学部レベルの内容なので、与えられた授業に「一生懸命に取り組む」だけだと、業務や将来に直接役立つことはあまり学べないという印象です。

とはいえ、授業中の発言やレポートでは授業に貢献する(ただ模範解答を答えるのではなく、クラスメートや先生に新しい情報や考え方を提供する)ことが評価されるので、どうしたらそういった付加価値を提供できるのかを考え始めると、最終的に自分の学びとして返ってくるという印象です。

 

言葉としては月並みですが、自分の頭で考えればいくらでも得るものがあるのが大学の勉強です。

また、SciencesPoは政界とのコネも強く、公式/非公式のシンポジウムが毎日のように開催されています。

 

真面目なサークル活動、研究プロジェクトが学生を募集していたり、各種研究所が学生にもオープンになっている(らしい)ので、何かやりたいことや学びたいことがあればいくらでも使い倒せます。

 

SciencesPo公共政策

SciencesPo公共政策の特徴(英語コースを選択した場合)

SciencesPoの特徴は大学のサイトを含めweb上に情報がありますが、前情報と違っていて我々に大きく関わってくるのは大きく下記の3点があります。

 

内容が理論的

Scpoはしきりに「実践的である」と宣伝していますが、あくまで欧州の中で相対的に実践的であるというだけなので、特にアメリカ・カナダへの留学経験のあるクラスメートは授業が「理論に偏っている」とよく言ってます。

授業については私もそう思います。

 

ただし上にも書いたように色んなイベントが開かれているので、全体で見ると実践に繋ぎ得るという印象です。

(大半が仏語なので、英語で留学している私には参加できるものは限られていますが・・・)

 

クラスメートに社会人経験者が少数

Sciences Poについて調べていると「同級生は職務経験が豊富」という情報をOBから聞いたりweb上で得られると思います。

しかし、社会人経験者は基本的に1年コースのMPA(Master in Public Affairs)に集められており、Dual Degreeコースや私が入るMPP(Master in Public Policy)にはあまりいません。MPAの学生も授業にはいますが、実践的な内容をクラスメートから学ぶことは少ないと考えていいと思います。

 

フランス人(将来のエリート組)と留学生の分離

分離というと大げさですが、当然ながら大方のフランス人はフランス語の授業、留学生は英語の授業を取るので、英語しかできない私にとってフランス人と交流する機会は結構少ないです。

つまり、SciencesPoはエリート養成大学なのでフランス人は優秀なのでしょうが、その将来のエリート組と近づく機会はかなり限られています。(私もフランス語の授業を取るためにも必死にフランス語を勉強中です。)

 

以上です!


Sciences Poを進学先として考え情報を集め始めた人にとっては、公式には出ていない印象などを補っていただくことができるのではないかと思います。

 

ただでさえ海外で生の情報を得づらいと思いますので、卒業生や在学生から直接印象を聴く機会を作ってもらえればありがたいです!